間違ってもいいから思いっきり

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

素直になって毛づくろいしよう!

人間は、残酷で野蛮なこの世の摂理の苦みを、言葉のオブラートで包み隠してきた。 理想と現実のギャップというのは、理想論という薄っぺらなオブラートを、野蛮な現実が突き破ることで起きる。 この苦みを少しでも軽減するには、野生の摂理の次元で野蛮な力…

ほめるのもほめないのも叱るのも叱らないのも正しくはない

世間に誤解されたまま受け止められがちだったアドラーの心理学の肝であるその哲学を、対話形式で分かりやすく紹介することに成功したのが『嫌われる勇気』です。 mrbachikorn.hatenablog.com その続編『幸せになる勇気』は、アドラー心理学の理念に従って「…

ただ投票率が上がればいいのか

いわゆる熱血先生とは全く違う教師像を描いた『鈴木先生』は、ドラマや映画にもなった漫画作品。鈴木先生 : 9 (アクションコミックス)作者: 武富健治出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2012/09/07メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 作者の武富健…

選挙制度の問題点から「支持政党なし」の主張を分析する

2014年の第47回衆議院選挙で、「支持政党なし」という変わった名前の政党が北海道比例ブロック有効票の4.2%にあたる104854票を獲得しました。 http://mrbachikorn.hatenadiary.jp/entry/2016/06/22/233459mrbachikorn.hatenadiary.jp この党は、2016年の第2…

数学の計算ミスを減らす具体的な動作

教師として高校生に数学を教えつつ、プライベートで和太鼓を教えることもある私の指導上のこだわりは、曖昧な精神論に逃げずにできるだけ具体的な解説を目指すこと。mrbachikorn.hatenablog.com この方針に従って、いつのころからか数学の計算ミスに関しても…

私たちは「懸命に生きる愚かなヤクザ」でしかない

この世はもともと、お互いが自由に影響し合う世界です。 殺し合い、奪い合い、騙し合い、妥協し合い、協力し合う。 たたかう植物: 仁義なき生存戦略 (ちくま新書) 作者: 稲垣栄洋 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/08/05 メディア: 新書 この商品を含…

怒りや嘆きに振り回されないマインド

怒りや嘆きといった感情に振り回されてしまうのは辛いもの。 たとえそれが他者に向けたものであったとしても、怒ってしまった時点、嘆いてしまった時点で、その感情の炎は持ち主である自分にもチクチクとダメージを与えます。 できることなら、私はこうした…

人類を左右し続けるマトリックス

今回は「パーソナルマトリックス」という概念を導入することで、「他人を説得する」という行為の原理について考えてみたいと思います。 これから提案する「パーソナルマトリックス」とは、人間が持っている意識のこと。 私の考案する意識モデルのアイデアを…

無理矢理思い込まなくても前向きにはなれる

私は小さいころから不器用で、球技などの運動も得意ではないし、何より対人関係を作っていくのが苦手でした。 たまたま向こうから声をかけてくれれば友人になれますが、自分からアプローチして友人を作ったことなどほとんどなかったと思います。 自分からき…

動物としての身の程をわきまえよう

「こうあるべき」とか「正しいかどうか」という価値判断のあり方は、他の動物には見られない人間固有の奇習。 自分なりの生き方を考え抜いていた学生時代、私は世の中と上手く付き合っていくためにはこうした「真理教」とも呼べる独特の宗教の仕組みを解明す…

自粛するもしないも本人の勝手

熊本地震が2016年2月14日に起こってから今日で3日目。 テレビでは報道番組のCMがACのものに差し替えられたり、SNSでは警告やお役立ち情報や政治的な主張などが溢れたりと、東日本大震災のときに一度見たような光景が次々と現れました。 こういった諸々の事象…

どちらを想定外にしますか?

「何でこんな簡単なこともできないんだ?」というのは、教えるのが下手糞な人の決まり文句です。 できない人に教えるための第1歩は「できないということがどこまでありうるか」という想像力の範囲を広げること。 このことを、中学校の理科で習う電流計にた…

死なないための損得勘定によって「真理」は造られた

この世界において「生き延びたい」という都合を持った参加者がまず考えることは、「死なないためにはどうすれば良いか」という損得勘定です。 暖をとること・食べること・寝ることの3つに関しては、生き延びるためにどうにかして満たさないといけないでしょ…

のほほんと気楽に生きる方法

文明社会を生きる人間がのほほんと気楽に生きていられなくなってしまう主な原因は、さまざまな言葉の指し示す内容を真に受け過ぎてしまうから。 その中でも、○か×かのレッテルを貼り付ける「善悪」の概念は、どんな物事にも大袈裟な意味を与えてしまうその性…

教師の仕事は生徒の力を伸ばすことではない

「力を伸ばしてもらおう」と思って授業を受けるのと「ただ時間が過ぎるのを待とう」と思って授業を受けるのとではどちらがたちが悪いか。 この問いに対する私の回答は、「力を伸ばしてもらおう」と思っている子の方が「自分の力が伸びるかどうか」を他人任せ…

駄目出しは人格否定じゃない

何か思うように上手くいかないことがあるとき、自分では「何がいけなくて上手くいっていないか」がよく分からないときがあります。 そんなときに便利なのが、自分より上手いと思える人の目から見た「自分への駄目出し」です。 あらゆる物事に通じる「素早い…

人を傷付けること自体は悪ではない

誰かを傷付けてしまったとき、嫌な気分になってしまうのは何故か。 それは「自分はこうしたかった」という意志と「実際はこうしてしまった」という行為の結果との間に隔たりがあるからです。 逆に言うならば、自己嫌悪や罪悪感にさいなまれたくなければ、自…

「死ね」と言われるような国でも楽しく生きる3つの方法

どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。 ふざけんな日本。 保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。 保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ。 国が子供産ませな…

人権思想もハラスメントの乱立も立派な武器

すべての人間は生まれながらにして侵害されてはならない権利を有しているというのは、誰かが思い付いた作り話です ですがこのフィクションのあらすじは、フランス革命をきっかけとして西洋社会を中心に広まっていき、今現在の国際社会では無視することのでき…

上達したければ失敗を稼ぎなさい

私の生き甲斐は、人に何かを教えること。 18歳で始めた家庭教師の頃から20年近く、バイトや趣味や職業で、数学・和太鼓・篠笛・民舞などを教え続けてきました。 どんな分野であっても、複数の人間に向けて一斉に教えていると、吸収の早い人と遅い人との差が…

楽しむ力さえ行使できれば人生は楽しい

楽しむ力さえ行使できれば人生は楽しい これは、大学生のころに身に付けた私なりの人生観。 もし、現状であなたの人生が楽しくないとすれば、それは他人や環境のせいで陥っている仕方のない事態ではなく、あなた自身の捉え方が招いている等身大の実績でしか…

自分の好き嫌いや欲求は断言しても構わない

今週のお題「20歳」 この『間違ってもいいから思いっきり』というブログに書いているようなことを考え始めたのは、ちょうど18年前の2~3月くらい。 大学一年生だった私は、時間をもて余して眠れなくなった春休みの夜に、ただひたすら考え事をしていました。 …

暗殺教室の実践的な教え

『暗殺教室』とは、週間少年ジャンプで連載されている松井優征作の人気学園コメディ。 蛸のような軟体動物の体を持つ主人公の殺せんせー(誰にも殺せない先生の略称)は、惑星を破壊できるほどの反物質を体内に抱えており、1年後には地球を木っ端微塵にして…

無意味な「許せない」の利用価値

大学生のころ、ずっと疑問に思っていた言葉があります。 それは「許せない」です。 当時は理屈先行で考える傾向が今よりもずいぶんと強烈だったので、この言葉に何か建設的な意味があるんだろうかと心の底から馬鹿にしていました。 それは、一個人が誰かに対…

わざわざ絡みに行くのがチンピラです

2013年に少しだけ話題になった「繊細チンピラ」とは、己の不遇な境遇をや傷つきやすい繊細な感受性を武器に「幸せな人は幸せそうにしているだけで不幸な私を傷つけるので一生黙っててください」というようなクレームをしらみ潰しに繰り返して他人の言動を封…

繊細チンピラの犯す傷つきますハラスメント

2013年に「繊細チンピラ」という言葉が話題になりました。 この言葉を取り上げて広めたのはライターの小野ほりでい。 女子二人の会話という形式で面白おかしくウェブサイトで紹介したことをきっかけに、一部の人々の間でスラングとして普及していったのです…

「がんばって狩り」の元凶

一般に「がんばって」という言葉には、「不用意に使うのはやめておこう」とためらってしまうようなデリケートな問題があります。 それは、この言葉を「君はがんばるべきだ」という発言者からの押し付けがましさとして解釈する人や「がんばって」という言葉を…

ゲームと現実を区別すれば数学が分かる

以前、当ブログで数学に対する「0.999999…が1になるのは何故か」という疑問への、私なりの決着法を紹介させていただきました。 mrbachikorn.hatenablog.com こういった数学への素朴な疑問は他にも代表的なものがいくつかありますが、今回はそれらを一気に解…

数学の計算ミスを減らす具体的な動作

教師として高校生に数学を教えつつ、プライベートで和太鼓を教えることもある私の指導上のこだわりは、曖昧な精神論に逃げずにできるだけ具体的な解説を目指すこと。 この方針に従って、いつのころからか数学の計算ミスに関しても「気を付けろ」「よく見直せ…

0.999999…=1の決着法

数学教師という肩書きを持っていると、ときどき聴かれるのが「0.999999…が1になるのは何故か」という質問です。 この疑問に対するもっともありふれた回答は以下のようなものです。 1÷3=0.3333333… 1÷3×3=0.333333…×3 1=0.999999… 他にも、極限という高校…