間違ってもいいから思いっきり

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

カルトビジネスの罠

駄目出しは人格否定じゃない

何か思うように上手くいかないことがあるとき、自分では「何がいけなくて上手くいっていないか」がよく分からないときがあります。 そんなときに便利なのが、自分より上手いと思える人の目から見た「自分への駄目出し」です。 あらゆる物事に通じる「素早い…

岸見アドラー学の功績

宗教が力を持っていた時代であれば、まだ救いもあったでしょう。 神の教えこそが真理であり、世界であり、すべてだった。 その教えに従ってさえいれば、考えるべき課題も少なかった。 しかし宗教は力を失い、いまや神への信仰も形骸化しています。 頼れるも…

アメリカの自殺願望を疑ってみる

私が考える情報リテラシーとは、話題の前提を疑う習慣のこと。 これまでも、そんな内容の記事をいくつか紹介してきました。 「真実を見極めた『つもり』に振り回される愚かさ」原子力発電は必要か否か - 間違ってもいいから思いっきりmrbachikorn.hatenablog…

ノンポリとして政治を眺める

【ノンポリ】 ノンポリは、英語の「nonpolitical」の略で、政治運動に関心が無いこと、あるいは関心が無い人。 元は1960-70年代の日本の学生運動に参加しなかった学生を指す用語である。 政治にまったく興味を持たなかった人だけではなく、政治問題に関心は…

やりたいことは今のうち

「もしこの世界が近いうちに滅亡してしまうとしたら、あなたはこれからも今と変わらぬ生活を続けていきますか?」 2015年3月にビッグコミック・スペリオールで始まった新井英樹の『なぎさにて』という作品では、このような終末論的世界観がやけにリアルに描…

ベルセルクの描く宗教観

ベルセルク (21) (Jets comics (839)) 作者: 三浦建太郎 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2001/05 メディア: コミック クリック: 1回 この商品を含むブログ (5件) を見る 三浦建太郎の描く漫画『ベルセルク』は、壮大なスケールで描かれるダークファンタジ…

堂々となんとなく生きる

揺るぎない信念を持とう。その信念が、あなたの思考を力に変えるのだ。信念が願望や目標と結びついたとき、あなたの望みは実現する。 思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき 作者: ナポレオンヒル,Napoleon Hill,田中孝顕 出版社/メーカー: き…

確信できなくても大丈夫

前回「確固たる信念なんていらない」という記事を書かせてもらいましたが、これによって「そもそも信念なんていらない」と訴えているかのような誤解も招いたようです。 http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2015/01/04/102726 そうではなく、私が書きた…

確固たる信念なんていらない

あけましておめでとうございます。 去年の2月から始めたこのブログも何とか続いており、2014年の間に合計67本の記事を発信することができました。 今回は「なぜこんなブログをやっているのか」というそもそもの目的を、初心に戻って手短に紹介させていただき…

生徒と語る自己啓発

以前「本当の幸せ」という記事で、この大袈裟な言葉に付きまとう「あなたは本当に幸せか」といった強迫的なメッセージの危険性について述べました。 <a href="http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/04/30/191700" data-mce-href="http://mrbachi…

洗脳だったら何なのか

当ブログのテーマは、良くも悪くも私たちの生き方を振り回してしまう言葉の影響力。 私たちの印象を左右し、行動の方針を説得し、ものの見方を刷り込み、気付かないうちに私たちを洗脳していくのが言葉です。 <a href="http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/05/23/035700" data-mce-href="http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/05/23/035700">失われた神を求めて - 間違ってもいいから思いっ</a>…

○×はしんどい

世の中にはヨガや禅などをはじめとする数多くの瞑想法があり、適切な方法で瞑想すると自分と周りの世界との境がなくなって「宇宙と一体となったような感覚」が得られると言います。 こうした神秘体験の存在は「大いなる存在に繋がっている」といった信心を生…

オカルトの誘惑

20世紀中盤に活躍したカナダ人医師のワイルダー・ペンフィールドは、30年間で750人ほどのてんかん手術を手がけました。 数々の開頭手術の中で彼は、局部麻酔した患者の脳のさまざまな箇所に直接電極を当てて、その際の患者の様子や感想を克明に記録していき…

核ミサイルまがいの潜在意識ビジネス

言葉とは、私たちの脳に無数の思い込みを書き込んでいく暗示プログラムのようなもの。 自覚なく不用意に植え付けられた浅はかな思い込みは、人々の生き方を無闇に縛りつけてしまいます。 そうした刷り込みの影響力を当たり前に考慮に入れて全ての言動と付き…

失われた神を求めて

数千年前の古代人たちは、現代の私たちが抱いているような主観的で意識ある心を持ち合わせておらず、右脳から聴こえてくる神々の声に従って生きていた。 前々回の記事で紹介したジュリアン・ジェインズは、1976年に刊行した『神々の沈黙』でこの途方もない仮…

夢の呪縛

夢とは元々、眠っているときの脳内体験のことを言います。 夢の中での出来事はバーチャルなものですから、覚醒している時とはかけ離れた体験をすることもあります。 ですから、私たちが使用する「夢のような」という喩え文句には、「現実離れした」といった…

打算で夢を語るな

2014月3月20日放送の深夜番組「アメトーーク!」にて、お笑い芸人の小籔千豊が「テレビに出てる人間が夢は叶うなんて軽々しく言って回るな」という持論を披露して注目を浴びました。 インターネット上では「よくぞ言ってくれた」と評価する声もあれば、「今…

本当の幸せ

教員になって1年目のときの出来事です。 仕事を終えていざ帰ろうと職員室を出てみると、職員室のすぐ外で同僚が1人の生徒と話し込んでいました。 その生徒は職員室から出てきた私を見て、同僚に聞いていたのと同じ質問を私にも振ってきました。「先生はいま…

アキレスと亀の詐術

私たちが生きているこの社会は、ヒトが持つ動物としての野生を去勢させることで成り立っています。 http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/04/26/235800 私たち人間は、この弱肉強食の世界に婚姻、貨幣、善悪、神、法律、数式といった独自のルールを…

現実的な幸せへの道筋

「間違ってもいいから思いっきり」と題したこのブログのテーマは、人生をのびのびと楽しむこと。 人々がのほほんと気楽に生きられなくなってしまう原因は何なのか。 この世間の荒波の中で、私自身はどのように折り合いを付けて生きているのか。 私の尊敬する…