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間違ってもいいから思いっきり(市井人の日曜研究)

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

肩肘を開く目的

 人間という動物の特技は、物を掴んだり投げたりと器用に前足を駆使できること。
 その器用な前足を上手く使えば、歩きながらおにぎりを食べたり、走りながら勢いを付けて物を投げたりすることもできます。
 
 歩きながらおにぎりを食べるときは前足だけが独立した動きをする必要があるので、歩いている全身の勢いが前足に伝わってしまわないように、動作の連動を分断してしまわないといけません。
 その反対に、走りながら勢いを付けて物を投げるときは勢いを分断してはならず、全身の動作をいかになめらかに連動させられるかが課題になります。
 
 その際、下半身や胴体の動作の勢いを前足にまで伝えるかどうかは、肩や肘の角度によって切り換えることが可能です。
 和太鼓で言うならば、全身の勢いを前足にまで連動させたいときは肩肘を開かずに、両方の左右の間隔を肩幅より狭い範囲で肩甲骨から操作すれば良いです。
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 全身の勢いを前足に伝えたくないときは、胴体を動かさずに肩肘を左右に開いたり肘を後ろに引いたりすると良いです。
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 肩肘を左右に開いた方が前足を器用に使いやすいので、多くの太鼓打ちは肩幅よりも広めに肘を広げがちです。
 その分全身の勢いは胴体の硬直によって手先に伝わり辛くなっているので、肩肘を開いている太鼓打ちは「胴体のブレーキに負けないくらい激しく下半身を躍動させる」という路線か「下半身を微動だにせずに手先だけで太鼓を打つ」かの二択を迫られます。
 
 ですが、私個人は全身の勢いを連動させつつ打つことにこだわっていますので、肩肘を開かずに「全身の勢いを無理なく伝えながらバチを転がす」というより難易度の高いハードルに挑戦しています。
 全国各地のお祭り芸能の中には一時間ほど演奏し続けるようなものもあり、小手先だけに負担をかけないよう全身を上手く連動させて使う技術が暗黙のうちに共有されている場合があります。
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 そういった芸能を分析した結果、手のひらや指の動きを工夫すれば、肩肘を開かずに全身の勢いを無理なく伝えながら細かいリズムも打ち分けられることが分かりました。
youtu.be
 
 こうした発見を太鼓仲間に広く伝えていくことが、私の関心事です。
 そのために制作しているのが「確かな重心操作を活かす打法を身に付けるためのドリル」というもの。
 肩肘を開かない合理的な身体操作による和太鼓の打法を、これからも着々と広めていきたいですね。