間違ってもいいから思いっきり(市井人の日曜研究)

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

正中線を引き延ばして太鼓を打つ

 3か月ほど前から「確かな重心操作を活かす打法を身に付けるためのドリル」という、和太鼓の打法を身に付けるための教材を作成しています。
 これまで人に伝えてきた和太鼓を打つ際の身体操作のコツを8段階に分類し、その8段階ごとに2分半程度の基本練習ワークを完成させ、現在はそれぞれのワークを取り扱うための注釈を作成しているところです。
 
 その6段階目に紹介しているのが「正中線を引き延ばす」というテクニック。
 正中線とは、人体を前から見たときに、眉間・鼻・みぞおち・へそ・肛門を一直線に結んだラインのこと。
 細かくリズムを刻む中でときおり強打を織り交ぜたい時などに、この正中線を引き延ばすテクニックが役に立つのです。

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 一般的に強打のときにはバチを高く振り上げるものですが、それと同時に打たない方の手をへその前まで引き下げるのが正中線を引き延ばすということ。
 その際、両腕を正中線に寄せて両の手首が顔の幅程度におさまるように狭く使い、ゴムバンドの端と端を引っ張るように正中線を引き延ばすイメージで胴体を反らせるのがコツ。
 バチを弓矢の矢とするなら、上に振り上げている利き手が弓矢の弦の役割、下に留めている逆手が弓の役割を果たしており、両手の引っ張り合いで胴体中にたまった張力が次の一打に活かされるのです。

 

 しかし、振り上げたバチを上空で握り締めてしまうと、肩や上腕の筋肉の縮みが首から下の胴体との連動を途切れさせてしまい、せっかくためた張力はそこでリセットされてしまいます。
 ためた張力をリセットしないためには、バチは握り締めず手のひらに引っかけるだけにしておき、打つ寸前まで決して握り込まないようにする必要があります。

 

 まず、手のひらを握手直前の半開きの形にし、人差し指と母指球にバチを引っ掛けたまま腕を上げれば、バチを握らないままに高々と上げることができます。
 そして、打つ直前に人差し指に乗っかっているバチを跳ね上げ、バチの根元を小指や薬指でキャッチしてダンディ坂野の「ゲッツ」の動作に繋げると、全身の連動を極力妨げずためた張力を最大限に活かすことができます。
 
 言葉だけで説明するとこれだけ複雑になってしまう動作ですが、作成中のドリルではリズムに合わせて誘導の文句を聞きながらお手本の真似をしていけば、複雑な身体操作のコツが身に付くように工夫を凝らしています。
 年内にはこれらのドリルを完成させて、合理的な身体操作による和太鼓の打法をこれからも着々と広めていきたいですね。