間違ってもいいから思いっきり

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

2015-01-01から1年間の記事一覧

やりたいことは今のうち

「もしこの世界が近いうちに滅亡してしまうとしたら、あなたはこれからも今と変わらぬ生活を続けていきますか?」 2015年3月にビッグコミック・スペリオールで始まった新井英樹の『なぎさにて』という作品では、このような終末論的世界観がやけにリアルに描…

この国に「大人」はどれだけいますか?

『キーチvs』は、前回紹介した新井英樹の漫画『キーチ!!』の10年後の世界を描いた続編。 http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2015/03/29/000754 世の中の矛盾と戦うために小学5年生で立ち上がった染谷輝一という少年が、既得権益を相手にとことん戦っ…

クソみたいな現実に立ち向かう

キーチ!! 8 (ビッグコミックス)作者: 新井英樹出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/02/28メディア: コミック購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (24件) を見る 新井英樹は、その過激な作風で知られる漫画家。 理不尽な無差別殺人犯、斡旋業者に大…

ベルセルクの描く宗教観

ベルセルク (21) (Jets comics (839)) 作者: 三浦建太郎 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2001/05 メディア: コミック クリック: 1回 この商品を含むブログ (5件) を見る 三浦建太郎の描く漫画『ベルセルク』は、壮大なスケールで描かれるダークファンタジ…

レフェリーに依存するな

史上最大級のジェノサイドとして有名なのが、第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって行われたユダヤ人の虐殺です。 ホロコーストとも呼ばれるこの組織的殺戮の目的はユダヤ人の根絶だとされており、その犠牲者の総数は1100万人以上とも言われています。 …

ヒトは特別な動物ではない

戦争やテロや殺人事件など「人殺しが起きた」というニュースは、私たちの生きる現代社会では「許されざる悲劇」として毎日のように伝えられています。 また、熊や猪など大型獣の駆除、魚介類の漁、食用に育成した家畜の屠殺、犬や猫の殺処分、殺虫剤による虫…

ジャズもお囃子も規格化はできない

ジャズという音楽はない。 ジャズな人がいるだけ。 ジャズをやっていてもジャズじゃない人がいる。 音楽をやらなくてもジャズな人はいる。 これは、2014年の秋から放送が始まった「ヨルタモリ」という番組で、ジャズ喫茶の経営者を演じるタモリが何度となく…

寄生獣に見る「過大な正義感」の正体

地球上の誰かがふと思った 人間の数が半分になったらいくつの森が焼かれずにすむだろうか…… 地球上の誰かがふと思った 人間の数が100分の1になったらたれ流される毒も100分の1になるのだろうか…… 誰かがふと思った 『生物の未来を守らねば……』 これは、岩明…

「もう助けませんよ」というのは駄目なんでしょうか?

2015年2月9日放送の「5時に夢中!」というテレビ番組の中で、読売新聞の以下の記事が紹介されました。 外務省は7日、イスラム過激派組織イスラム国の勢力圏があるシリア北部に渡航しようとした新潟県在住の50歳代の新潟県在住の男性に対し、旅券(パスポート…

イスラム世界から見た近代社会

勝てば官軍、負ければ賊軍。 このことわざは、たとえ道理にそむいても戦いに勝った者が正義となり負けた者は不正となるという意味であり、戦いの勝敗によって物事の正邪善悪が決まってしまうことを表しています。 今日私たち日本人は、近現代史の官軍である…

一神教ってなあに?

昔むかし、あるところに、七人家族が暮らしていました。「戦後日本」と、表札が出ていました。家族は両親と、五人のきょうだい。「日本国憲法」「民主主義」「市場経済」「科学技術」「文化芸術」という名の、いい子たちでした。でもある日、五人とも、養子…

政治との建設的なお付き合い

日本では、政治の話題というとその大半がネガティブなものになりがちです。 日々のニュースにおいても、ポジティブな情報よりはネガティブな情報の方がはるかに豊富なように思います。 そこで今回は、人生をのびのびと楽しむための建設的な政治との付き合い…

堂々となんとなく生きる

揺るぎない信念を持とう。その信念が、あなたの思考を力に変えるのだ。信念が願望や目標と結びついたとき、あなたの望みは実現する。 思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき 作者: ナポレオンヒル,Napoleon Hill,田中孝顕 出版社/メーカー: き…

確信できなくても大丈夫

前回「確固たる信念なんていらない」という記事を書かせてもらいましたが、これによって「そもそも信念なんていらない」と訴えているかのような誤解も招いたようです。 http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2015/01/04/102726 そうではなく、私が書きた…

確固たる信念なんていらない

あけましておめでとうございます。 去年の2月から始めたこのブログも何とか続いており、2014年の間に合計67本の記事を発信することができました。 今回は「なぜこんなブログをやっているのか」というそもそもの目的を、初心に戻って手短に紹介させていただき…