間違ってもいいから思いっきり

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

言語の存在意義

死なないための損得勘定によって「真理」は造られた

この世界において「生き延びたい」という都合を持った参加者がまず考えることは、「死なないためにはどうすれば良いか」という損得勘定です。 暖をとること・食べること・寝ることの3つに関しては、生き延びるためにどうにかして満たさないといけないでしょ…

のほほんと気楽に生きる方法

文明社会を生きる人間がのほほんと気楽に生きていられなくなってしまう主な原因は、さまざまな言葉の指し示す内容を真に受け過ぎてしまうから。 その中でも、○か×かのレッテルを貼り付ける「善悪」の概念は、どんな物事にも大袈裟な意味を与えてしまうその性…

人権思想もハラスメントの乱立も立派な武器

すべての人間は生まれながらにして侵害されてはならない権利を有しているというのは、誰かが思い付いた作り話です ですがこのフィクションのあらすじは、フランス革命をきっかけとして西洋社会を中心に広まっていき、今現在の国際社会では無視することのでき…

「がんばって狩り」の元凶

一般に「がんばって」という言葉には、「不用意に使うのはやめておこう」とためらってしまうようなデリケートな問題があります。 それは、この言葉を「君はがんばるべきだ」という発言者からの押し付けがましさとして解釈する人や「がんばって」という言葉を…

真理の探究では世界を救えない

キリストでもシャカでもマルクスでも悪魔くんでもみな同じことだ それぞれ方法はちがっているが根本にある考えはおなじなんだ 世界がひとつになり貧乏人や不幸のない世界をつくることは…… おそかれはやかれだれかが手をつけなければならない人類の宿題ではな…

保守とリベラルの仲良しプロレス

プロレス興業の目的は、敵を倒すことではなく、試合をお客さんに観てもらって収入を得ること。 プロレスがお客さんに注目してもらえる魅力的なエンターテイメントであるために、彼らは肉体を鍛え、技を磨き、演出を洗練させ、ストーリーを練り込んでいきます…

「人を追い詰める方法」が知りたい人へ

あなたがもし『詐偽の手口』や『洗脳の手口』というタイトルのテレビ番組や本やブログ記事を見かけたら、どのような内容を期待しますか。 あなた自身が他の誰かを騙したり洗脳したりするつもりで、そのための上手な方法を知るために見ますか。 それとも、今…

正しい子どもと複雑な大人

高校一年生の頃、私は筒井康隆の『やつあたり文化論』というエッセイ集と出会いました。 この本の冒頭に収録されていた「ゴルフ嫌い」というエッセイは、当時の私に強烈なインパクトを与えます。 やつあたり文化論 (新潮文庫 つ 4-9) 作者: 筒井康隆 出版社/…

記述信仰からの卒業

言葉の根本的な存在理由は人心を説得すること。 世の中がどうなっているのかを描写したり記述したりするという役割は、言葉の本質とは全く関係がない。 これが私自身の一貫した主張です。 それに対し、言葉はそもそも世の中がどうなっているのかを描写したり…

洗脳だったら何なのか

当ブログのテーマは、良くも悪くも私たちの生き方を振り回してしまう言葉の影響力。 私たちの印象を左右し、行動の方針を説得し、ものの見方を刷り込み、気付かないうちに私たちを洗脳していくのが言葉です。 <a href="http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/05/23/035700" data-mce-href="http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/05/23/035700">失われた神を求めて - 間違ってもいいから思いっ</a>…

科学が存在する意義

私たちのものの考え方は、物質的な状況や思想的な流行といった時代ごとの背景に大きく左右されています。 以前の記事では、レヴィ=ストロースの提唱した構造主義やその著書『野生の思考』が現代社会を生きる私たちに与えている影響について、ごくごく簡単な…

原子力発電は必要か否か

2001年の夏、大学院生だった私は「原子力発電は必要か否か」というテーマのディベートに参加していました。 このディベートはある面接の試験として行われたもの。 受験者はまず割り振られたチームごとに集められ、仲間同士で作戦を立てた上で本番に望むこと…

○×はしんどい

世の中にはヨガや禅などをはじめとする数多くの瞑想法があり、適切な方法で瞑想すると自分と周りの世界との境がなくなって「宇宙と一体となったような感覚」が得られると言います。 こうした神秘体験の存在は「大いなる存在に繋がっている」といった信心を生…

失われた神を求めて

数千年前の古代人たちは、現代の私たちが抱いているような主観的で意識ある心を持ち合わせておらず、右脳から聴こえてくる神々の声に従って生きていた。 前々回の記事で紹介したジュリアン・ジェインズは、1976年に刊行した『神々の沈黙』でこの途方もない仮…

意識の役割

意識とか心とか魂などと呼ばれている〈私〉たちの内面的な情景は、〈自分〉という肉体の生理機能が演出している幻のようなもの。 そのおかげで〈私〉たちはそれぞれの肉体の主のような錯覚に捕らわれていますが、「実際の主は肉体そのものの方であり、意識な…

心は体の主人ではない

意識の正体は何か。 そして、それはどこから生まれてきたのか。 この伝統的な問題を長年にわたって研究してきたプリンストン大学のジュリアン・ジェインズは、1976年に刊行した『神々の沈黙—意識の誕生と文明の興亡』において次のような仮説を打ち立てました…

世界は比喩でできている

一般に比喩と言えば、言葉を文字通りの使い方や標準的な使い方とは別の方法で用いることを指します。 例えば〈草食男子〉という喩えは、文字通りの「草を食べる男の子」とは違った意味合いで使われる言葉です。 今回は、この比喩という概念を拡大解釈するこ…

アキレスと亀の詐術

私たちが生きているこの社会は、ヒトが持つ動物としての野生を去勢させることで成り立っています。 http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/04/26/235800 私たち人間は、この弱肉強食の世界に婚姻、貨幣、善悪、神、法律、数式といった独自のルールを…

真理ムラの癒着と圧力

日本における原子力発電の安全神話は、2011年3月11日に起きた福島第一原発の危機的事故をきっかけに崩壊しました。 ですが、それまでの日本では原発推進が国の規定路線としてまかり通っており、反原発を声高に唱えるような人は社会的圧力によって村八分にさ…

責任ある大人のマナー

言葉とは、まるで放射性物質のような存在です。 電気信号として脳に刻まれた言葉は、影響力という名の放射線を脳に浴びせ続けることによって、私たちの在り方を変容させていきます。 生物としてのヒトの身体構造は約20万年前にほとんど完成したわけですが、 …

作り話の楽しみ方

この世を仕切る「正しさ」という物差しなどどこにも存在せず、世界にはただ「都合と力のバランス」があるだけ。 http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/03/18/064700 こう考えていた大学時代、私にとって「正しさを競う舞台」としての言論の世界は非…

常識の方程式

世間での言葉の使われ方について、私がとことん追究し始めたのは数学を専攻していた大学生のころ。 私は物心ついた頃からずっと、人の行動を仕切りたがる押し付けがましい言葉の圧力に違和感を覚えており、他の要領の良い子たちのようには上手く折り合いをつ…

全人類プロレス

この世界は、力が支配する弱肉強食の説得合戦の場。 私たちは生まれたときからすでにこの舞台のプレイヤーの一人であり、さまざまな力を用いて互いに説得の応酬を繰り返しています。 ヒトの生存戦略 - 間違ってもいいから思いっきりmrbachikorn.hatenablog.c…

人類を飼い慣らした物語

ヒトを文明社会の担い手へと仕立て上げてしまう言葉の影響力には、ある巧妙なトリックが隠されています。 今回はこのトリックの種明かしをすることで、言葉の荒波に溺れてしまわないための基本的なモノの見方を掴んでいきたいと思います。 喰うか喰われるか…

ヒトの生存戦略

あなたは何ものかに喰い殺されそうになったことがありますか。 私自身は幸運にも、まだそのような補食の危機を経験したことがありません。 ですが野生の動物たちにとって、喰ったり喰われたりは当たり前の日常です。 私がこれまで何ものにも喰われることなく…

伝えきれない想い

伝えたいことがあるのに言葉ではなかなか表現できない。 どんなに言葉を尽くしても、言いたいことを正確には描写しきれない。 そんな経験が皆さんにもありますか。 今回は、そういった心理現象がなぜ起きてしまうのかという原因について、私なりの受け止め方…

文明人だけがハマる罠

これは、イラストレーターの友人が描いてくれた私の似顔絵。 周囲の仲間からの評判は「めちゃ似てる」「目元がそのまんま」「実物より優しそう」などなどかなりの好評価。 描かれた本人としても、こんなにそっくりに描いてもらえたのかと驚きましたし、さら…

ステマという魔女狩り

私たち人間は日々の社会生活の中で常に、膨大な言葉の荒波に巻き込まれています。 そんな言葉の荒波を溺れずに泳いでいくために、まずは「言葉とはどんなものか」という大前提について考えてみたいと思います。 そのヒントとして、今回はステマという題材を…

現実的な幸せへの道筋

「間違ってもいいから思いっきり」と題したこのブログのテーマは、人生をのびのびと楽しむこと。 人々がのほほんと気楽に生きられなくなってしまう原因は何なのか。 この世間の荒波の中で、私自身はどのように折り合いを付けて生きているのか。 私の尊敬する…

間違ってもいいから思いっきり

初めまして、私は和太鼓研究家のMr.バチコーンと申します。 初心者から気楽に和太鼓が始められる「バチコーン道場」という体験会を毎年福岡で開催しており、「間違ってもいいから思いっきり」をモットーに和太鼓の楽しみをお伝えしています。 この「間違って…