間違ってもいいから思いっきり(市井人の日曜研究)

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

癖が強いジャンル「大太鼓正面打ち」に挑戦

 私が和太鼓にはまりこんでしまった理由は、歌舞劇団田楽座のずば抜けた打ちっぷりに惚れ込んだから。
 世間には胴体をがっちりと固定し小手先だけで打つような和太鼓が多い中、田楽座の和太鼓は小手先だけでなく全身がのびのびとしなやかに躍動していたのです。
 
 和太鼓には、地域によってさまざまな打ち方があります。
 太鼓の打面を真上に向ける伏せ打ち、打面を斜めに傾ける座り打ちや斜め打ち、太鼓を水平に置く横打ちや背面打ちなど。
 
 田楽座が他のプロ集団と大きく違うのは、全国に伝わる祭り太鼓を舞台に上げる際、単にリズムやメロディや構成をパクるだけではないところ。
 単なる素材として祭り太鼓を上から目線でコレクションするのではなく、実際に地元の担い手に弟子入りすることで、世代を越えて受け継がれてきた祭りの精神性や地元ならではの身体操作の知恵などをとことん見習おうとするのです。
 
 そうしてさまざまな民俗芸能を吸収してきた彼らの動作に共通しているのが、どんな複雑なに太鼓を打っていても動作の起点は下半身にあり、上半身は力が伝わっていく経路でしかないということ。
mrbachikorn.hatenablog.com
 田楽座に初めて太鼓を教わってから、私も下半身を中心にした打法の合理性をとことん追求するようになり、そのノウハウを多くの人に伝えてきました。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 そんな私にとって、最も興味がなかったジャンルが、1970年代に生まれたばかりの大太鼓正面打ち。
 このジャンルの創始者やその他プロ奏者の演奏を観ても、野性動物のようなしなやかな全身の躍動を感じることはまずありません。
 世間では「和太鼓と言えばこれ」というくらいメジャーなイメージが付いてしまったジャンルなのですが、この新設ジャンルではほとんどの奏者がごくごく限られた稼動域内でしか体を連動させられていないのです。
 
 さらに生理的に受け付けないのが、大太鼓のソロプレイヤーにありがちな押し付けがましいメンタリティ。
 客に背中とお尻を向けたまま黙々と打ち込む彼らを観察していると、「こんなにきつい体勢で高度なリズムが打てている俺は技術も体力も凄いんだぞ」だとか「俺の背中から修験者のような威厳や神々しさを感じて有り難がりなさい」といった暑苦しい独り善がりなメッセージがひしひしと伝わってきます。
 
 こうした数十年間のイメージ戦略のおかげで、大太鼓正面打ちは多くの太鼓打ちの中で「いつかは挑戦したい憧れのジャンル」として素直に受け入れられています。
 ですが、その洗脳工作の影響を微塵も受けていない人にとって、やたらと背中で魅せたがる彼らのナルシシズムは共感しづらいものとして映るでしょう。
 
 しかし、最近になって、私にも大太鼓正面打ちに挑戦する機会が廻ってきました。
 この一年、篠笛・鉦・チャッパ・締め太鼓・長胴太鼓・桶太鼓・大平太鼓・大太鼓を織り交ぜた曲を演奏していくことになり、メンバーの出席状況に応じて足りないパートを補えるようにほとんどのパートを覚えようとしています。
 その一環として、昨日は大太鼓の正面打ちに初めて挑戦しました。
 
 今回取り組むのは大人数で盛り上げ合う曲なので、私の嫌うナルシシズムの問題はすでにクリア済み。
 後は、いつものように全身を気持ちよく連動させて打てるかという、動作の質の問題が残っています。
 
 私に大太鼓のパートを振った人は私に経験がないことを知らなかったため、正面打ちの基本など何も知らずに見よう見まねで言われた通りのリズムを打ってみました。
 そのとき撮られた写真を後から見せてもらったのですが、インターネット上の画像や動画に出ていた打ち手と私との大きな違いは顔の向き。
大太鼓正面打ち - Google 検索
 全ての打ち手が正面にある大太鼓を睨み付けたまま打っているのに対し、私は大きく振りかぶるときに上体を反らしながら目線を太鼓から外していたのです。
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 これは、バチを肩で振り回さずに背中から全身で引っこ抜こうとするいつもの要領が現れたもの。
 私の中では「肩で振り回すのは力任せで気持ち悪い」という感受性が定着しているため、大きく打つからには太鼓から距離が取れるように上体も顔も反らしてバチをより後方に逃がしてあげるというのが自然の成り行きでした。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 私と同様、ストロークを稼ぐために上体を反らすプロ奏者は見付け出すことができましたが、それでも目線は打面を睨み付けることで胸郭を縮めてしまっており、稼動域がそこそこの大きさに制限されていました。
 おそらく「太鼓から目線を外さないこと」が正面打ちの基本だとどこかで定められているのでしょう。
 そして、その基本がしっかりと刷り込まれた人にとって、私のやらかした上体反らし打ちは下品な邪道と映るのでしょう。
 
 ただ、大太鼓基本打ちという急ごしらえの権威に何の威光も感じない私にとって、動作効率の悪い美学に従うことよりも自然な力の流れに身を任せることの方が遥かに重要。
mrbachikorn.hatenablog.com
 auのCMで「副業っす」と明るく話しながら打つ鬼ちゃんのように、気楽に打ち囃していきたいと思います。
youtu.be
 
【さまざまな打法の一例】
 
天平太鼓」
https://youtube.com/watch?v=AFk_6v79Yrk
「大蛇山囃子」
https://youtu.be/OVm9YwrMCbw
水口囃子」
https://youtu.be/Tsqb_A5z1bs
秩父屋台囃子」
https://youtu.be/brndT0A_RgE
八丈島太鼓」
https://youtube.com/watch?v=YUnbWpra_8c
「金浦神楽」
https://youtu.be/PEustv4umqw
「中山太鼓」
https://youtube.com/watch?v=2c1CGwDaov4
「大俣太鼓」
https://youtube.com/watch?v=USr7NFBh9Zk
「磯部楽打」
https://youtu.be/WF1aOZkqL9o
「三宅島木遣り太鼓」
https://youtu.be/mWawRuDmGgk

ハンドルネームとブログ名の由来

 私はハンドルネームを「Mr.バチコーン」にし、ブログ名を「間違ってもいいから思いっきり」にしています。
 この「バチコーン」というフレーズは、私の打つ和太鼓の一打一打の音量が桁外れに大きいらしく、「その音はドンどころじゃない、バチコーンだ」と言われた頃から使うようになりました。
 
 和太鼓で「バチコーン!」という常識外れな音を出すためのポイントは、馬鹿みたいに筋力トレーニングをすることではなく、「筋力のみでバチを振り回さない」「重力に身を任せて重心を落下させる」「太鼓の皮の跳ね返りに任せて重心をバウンドさせる」「体の各部を慣性に任せて放り投げる」というように体の使い方を根本的に変えること。
 「そんな風に打ってみたい」という仲間にこうしたノウハウを伝えるために練習会などを開き、便宜的に「バチコーン打法」と名付けたことから、太鼓仲間の中で「バチコーン」が私の代名詞となっていったのです。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 ここで紹介した「バチコーン打法」を習得するのに邪魔になるのが、和太鼓の世界にはびこる「がっちりと姿勢を固定したほうがいい」という固定観念
 この「姿勢を固定させてしまう癖」が、野生動物のようなしなやかな全身の連動を阻止し、太鼓打ちを滑らかかつシャープな動作の実現から遠ざけています。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 それまで身に付けてしまった癖を払拭するには、宙に身を投げ出すくらいの大胆な挑戦が必要。
 ですから、間違えることを恐れて縮こまるといった場面が現れないよう、「間違ってもいいから思いっきり」をモットーに何よりも思いきりのよさを重視した指導を行っています。
 すべては「がっちりと姿勢を固定させた方がいい」という固定観念を払拭するためです。
 
 これと同じように、私たちが楽しくのほほんと生きるのを邪魔しているのも、これまで刷り込まれてきた「正しさ」という固定観念です。
 「バチコーン打法」の習得には「姿勢を固定する癖」を手放すことが必要だったように、人生をのびのびと思いっきり楽しんでいくには「正しさ」のような「○か×か」という思考パターンから距離をおくことが必要だというのが私の見方です。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 このブログのタイトルを、太鼓の指導で使っていた「間違ってもいいから思いっきり」というモットーにしたのは、「正しさにこだわる癖」も「姿勢を固定する癖」と同様にスパッと切り捨てながら日々楽しく生きていこうという意味合いを込めたから。
 このブログでは、そのためのお手伝いをしていけたらと考えています。
 
  
※当ブログの主なテーマは、この世界を支配する「正しさ」という言葉のプロレスとの付き合い方。
mrbachikorn.hatenablog.com
※そのプロレス的世界観を支えている「記述信仰」の実態を、簡単な図にしてまとめています。
mrbachikorn.hatenablog.com
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和太鼓の動作改善サプリ

 私が和太鼓や踊りを教える際、リズムや振り付けを伝えることよりも重視しているのは、目指すべき動作の質を伝えること。
 教わった人が「間違えなければそれでいい」などと短絡化しないよう、手順を覚えた後も「全身のしなやかな連動」を目指していけるような伝え方を日夜研究しています。
 
 その際、踊りよりも和太鼓の方がバチを握るせいか肩や腕や手首だけの動きになりやすく、全身を上手く連動させられずに小手先だけでリズムを追いかけてしまう人が多いです。
mrbachikorn.hatenablog.com
 そんなわけで半年前から、和太鼓における小手先癖を徹底的に修正するための、反復練習用プログラムを開発していました。 
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 このプログラムは、ぶちあわせ太鼓という曲中の1分前後のリズムを安定したテンポで思いっきり打てるよう、全フレーズでの動作を最適化するために26段階のステップを設けたもの。
 それぞれのステップの要領をものにすれば、同じ要領を応用して他の曲でも似た局面の動作を最適化することができます。
 自分が演奏する全ての曲目の動作を最適化して全力で楽しみ続けていれば、そのうちいちいち考えなくてもあらゆる動作を自然に最適化できるようになります。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 そうして完成したのが、チームでの一斉練習に使うための掲示用紙と、復習用のYouTube動画と、それらの原稿となるまとめテキストの3点セット。
 そのうちテキストと掲示用紙のデータをインターネット上に保存して、誰でもダウンロードできるようにしました。
https://drive.google.com/drive/folders/0BxaNUigy2ezsUHQwTjFfVWhNYlk?usp=sharing
 どちらもWordファイルにしていて、テキストはA4用紙24ページ分、掲示用はA3用紙48ページ分です。
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 テキストは両面印刷で12枚にして、左端をホッチキスなどでとめれば、冊子として見開きで見易いようにしています。
 YouTube動画の原稿は全てこのテキストなので、テキストが手元にあると動画がより分かりやすいかもしれません。
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 掲示用は、A3用紙を6枚張り合わせれば掲示用紙が1枚完成するようにしており、テーマ別に8種類の用紙が作れます。
 チームごとに一斉練習してみたいドリルがあれば、ピックアップして使ってみてください。
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 全身をしなやかに連動させて和太鼓を打てるようになれば、動きの切れ味も音の重みや深みもリズムの安定感も全てが格段に向上します。
 小手先打法ばかりが溢れかえっているステージ和太鼓業界に、下半身も胴体も柔らかく使って打つ和太鼓がもっと増えていってくれれば本望です。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
【復習用YouTube動画一覧】
 
Lesson1「和太鼓における確かな重心操作とは」
https://youtu.be/3-RqrFr0aoI
 
Lesson2「バチを自由にする握り方」
https://youtu.be/hlTV9pE3J24
 
Lesson3「小手先癖とは」
https://youtu.be/W3akWneeLKw
 
Lesson4「小手先癖をほぐす体操」
https://youtu.be/dVhwZmlTKiA
 
Lesson5「ドリルの使い方」
youtu.be
 
ドリル課題A「バチと腕を一瞬でつっかえ棒にする」
https://youtu.be/C9Y8aqBsFYc
 
ドリル課題B「つっかえ棒に全体重を預ける」
https://youtu.be/KK1zuFVsDIY
 
ドリル課題C「上置き構えから体重を乗せて大きく打つ」
https://youtu.be/ThGPVFDdM4M
 
ドリル課題D「打面の跳ね返りを利用して大きく連打する」
https://youtu.be/oc4Mibl9Vwk
 
ドリル課題E「利き手と逆手を別々に使い分ける」
https://youtu.be/cjcaA9KFOio
 
ドリル課題F「地面を蹴る勢いで素早く弾んで連打する」
https://youtu.be/2ypHUqnhvKo
 
ドリル課題G「つま先立ちを利用してさらに高い位置から打つ」
https://youtu.be/zAtEfk0QmgM
 
ドリル課題H「地面への蹴り込みとつま先立ちをリズムに組み込む」
https://youtu.be/I1wKbnjigSE
 
ドリル課題I「足腰でバウンドのタイミングをコントロールする」
https://youtu.be/C2r2i1jrl3U
 
ドリル課題J「手のひらとバチが触れている面積と時間を減らす」
https://youtu.be/_O2ZVpuQ1e0
 
ドリル課題K「肘の位置を肩甲骨から持ち上げる」
https://youtu.be/--cFWkuYhwM
 
ドリル課題L「胴体をしならせて肩甲骨の位置を持ち上げる」
https://youtu.be/BhoUgp0nFOg
 
ドリル課題M「J・K・Lをスムーズに繋げる」
https://youtu.be/K3qxnFWt8vM
 
ドリル課題N「課題A・J・Kを締め太鼓でも徹底する」
https://youtu.be/Kij5HnqK9jA
 
ドリル課題O「肘を上げながらバチを手放して打面に軽く落とす」
https://youtu.be/pWMvo0ojhrI
 
ドリル課題P「一定のテンポでバウンドしながらバチを転がす」
https://youtu.be/wwDnuIDzmjg
 
ドリル課題Q「胴体の張力を用いて下置き構えから大きく打つ」
https://youtu.be/7KtSfD7jY90
 
ドリル課題R「バチを転がしながら利き手を大きく振り上げる」
https://youtu.be/4SMTM_mMzck
 
ドリル課題S「背伸びと逆手の振り上げでバウンドのタイミングを遅らせる」
https://youtu.be/lNCSJNWheIk
 
ドリル課題T「課題Sを用いて下置き構えから上置き構えに移る」
https://youtu.be/fG-Y5YyPL68
 
ドリル課題U「打ち込みながら利き手を大きく振り上げる」
https://youtu.be/fTvl-AXGinA
 
ドリル課題V「課題Uを用いて上置き構えから下置き構えに移る」
https://youtu.be/efORC0nmleo
 
ドリル課題W「ぶちあわせ太鼓の一人打ちをバウンド少なめでゆっくり打つ」
https://youtu.be/mWMcivwIAQ0
 
ドリル課題X「ぶちあわせ太鼓の一人打ちをバウンド少なめで軽快に打つ」
https://youtu.be/jZH40F81aGE
 
ドリル課題Y「ぶちあわせ太鼓の一人打ちをバウンド多めでゆっくり打つ」
https://youtu.be/mFNbtEYCJNY
 
ドリル課題Z「ぶちあわせ太鼓の一人打ちをバウンド多めで軽快に打つ」
https://youtu.be/vpwSLVsqa14

上半身と下半身の理想的な使用比率は1:9

 私のライフワークは、小手先しか使わない和太鼓の打法が主流となってしまっているステージ和太鼓業界の中でも自分なりの「全身をしなやかに連動させるバチコーン打法」を貫き通し、小手先だけでは生み出せない和太鼓の魅力をプレゼンし続けること。
 私の言う「全身をしなやかに連動させる」の条件はかなり厳しく、世の太鼓打ちの95%以上はその条件を満たしません。
 
 全身をしなやかに連動させられているかどうかを見分けるための私なりの基準は、下半身に対する上半身の使用比率をどこまで下げられるかということ。
 どんな運動にも共通することですが、全身をしなやかに連動させるためには、下半身の働きをメインにして上半身はサブに留めておくことが必要です。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 下の人体図における赤く色付けされた小手先の部分を「上半身」とみなし、広背筋も含めた小手先以外の白い部分を「下半身」と定めるならば、上半身と下半身の使用比率を1:9くらいになるまで持っていくのが理想的。
 多少力んだとしても、2:8くらいまで下げることができなければ、その体の使い方は「しなやか」とは見なせません。
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 和太鼓業界に「和太鼓には足腰が大事」と言っている人自体は大勢いますが、その言葉が指し示している内容はずいぶんと異なっています。
 その内容の違いは、太鼓を打つ際の【上半身と下半身の使用比率】という視点から見ると明らかになります。
 
 まず、一番有りがちな薄っぺらい理解が「低い姿勢をキープするために足腰が重要」というもの。
 このような人は、実際に太鼓を打つ際に「一緒に足腰を動かそう」なんてつもりが少しもないため、上半身と下半身の使用比率もほぼ10:0となっています。
 
 次に多いのが「打つと同時にしっかり踏み込むことで勢いを増す」という捉え方。
 この捉え方自体はそれほど悪くないのですが、上半身優位の小手先打法の流儀から和太鼓の世界に入った人にとって、下半身の使用は付け足しのオプションでしかないという認識がほとんど。
 本人はしっかりと意識しているつもりであっても、せいぜい9:1、良くて8:2といったところでしょう。
 
 下半身の使用比率をさらに高めていこうというモチベーションが比較的高いのは、民俗芸能というより広いくくりで民舞や和太鼓に取り組んでいる団体。
 踊りという足腰を重視せざるを得ない演目に取り組むことによって、常日頃から下半身の活用に慣れているのです。
 1950年代から秋田のわらび座を始めとするいくつかの歌舞団がこうした民俗芸能の楽しみを広めていったおかげで、今では全国各地に民俗芸能というくくりで和太鼓をたしなむアマチュアサークルが点在しています。
  
 このような民俗芸能を愛好する歌舞団やアマチュアチームがやっかいなのは、「一つの芸能をとことん深めていきたい」という追求欲よりも「さまざまな芸能をやりたい」という収集欲の方が優先されがちなところ。
 そのせいで、地元の熟練者であれば全身をしなやかに連動させられている芸能も、未熟かつ異質な劣化コピーとしてしか再現できないことがしばしば。
 そんな現状に対して「私はまだまだ未熟で本物はもっと素晴らしいんですよ」と謙虚でいられればまだマシなのですが、劣化コピーでしかない芸をまるで本物と同等かそれ以上であるかのように騙って紹介するという原作レイプも横行しています。
 
 そんなわけで、たとえ民俗芸能サークル界隈であってもそれほど深い追求をするチームは少なく、和太鼓における全身の連動もちゃんと実現されているわけではありません。
 踊りと同様に下半身をしっかりと働かせようとしても、バチを握っている上半身から力を抜けなければ勢いの伝達が上手くいかないため、忙しい割りにキレ味の少ない非効率的な動作に陥りがち。
 そのため、動作の主役は上半身のままで、肝心の下半身の活用比率も1割(9:1)から2割(8:2)程度に収まっていることがほとんどです。
 
 そんな中、わらび座から派生していった長野の歌舞劇団田楽座は、どんな芸能にも確かな重心操作を常に活用しようと真摯に取り組み続けてきました。
 それでも、和太鼓における上半身の使用比率を1〜2割まで下げるという水準に団体として到達できたのは、私の推測によると21世紀に入る間際のこと。
 田楽座の過去の映像などを見ていると、20世紀までの和太鼓における上半身の使用比率はまだ5割(5:5)から良くて3割(3:7)程度に見えます。
 
 その原因はおそらく、戦後のステージ和太鼓業界を席巻していた「耳の真横に両腕が来るように真っ直ぐ構えるべき」という見た目重視の教えが、肩まわりの自然な脱力を阻害していたから。
 その呪縛から抜け出して、バチの操作における主役を「肩から下半身へ」と完全に交代できたのが2000年前後だったのでしょう。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 私自身は、和太鼓を始めて間もない2002年に田楽座のワークショップを受けたおかげで、肩まわりの脱力による【下半身の主役化】という高みを素直に目指すことができました。
 所属する和太鼓チームに入ってくる後輩にも最初から「主役は下半身だ」と伝え続けていくことで、全身のしなやかな連動を素直に身に付けていってくれました。
 
 難しかったのが、他団体のメンバーから打法についてのアドバイスを求められたときの伝え方。
 世のほとんどの太鼓チームでは肩を主役にする打ち方を教え込むため、後から私が下半身の重要性をいくら強調したところで、当人の肩が主役の地位をなかなか譲ろうとしないのです。
 その結果、肩を主役にしたままで下半身もダイナミックに使用するような中途半端な打ち方が伝わってしまい、彼らの上半身と下半身の使用比率はせいぜい7:3から6:4くらいに留まっています。
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 そんな現状を打ち破り、全身をしなやかに連動させる打法を誤解なく伝えるために、自主練習用のプログラムを作成しました。
mrbachikorn.hatenablog.com
 このプログラムは、下半身をダイナミックに活用するための課題と、主役の座を肩から奪い取るための課題と、肩から奪い取った主役の座を下半身へしっかり譲り渡すための課題とに別れています。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 下半身(胴体も含む)主導でバチを上げ、下半身主導でバチを降り下ろす。
 上半身(小手先)を使用するのは、バチが打面に当たる瞬間に、バチと腕をつっかえ棒にするときだけ。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 そんな目標を持って練習を積み重ねれば、上半身と下半身の使用比率は1:9へと近付いていきます。
 全身をしなやかに連動させて和太鼓を打ってみたい方は、是非試してみてください。

小手先に依存しないための課題

 和太鼓を効率よく打つために必要なのは、腕への過剰依存を改めること。
mrbachikorn.hatenablog.com
 そのための自主練習プログラムを、AからZまでの26種類の課題にまとめ上げて参考動画をアップロードしています。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 そこで問題になるのが、小手先をどのように扱っているかということ。
 小手先とは、イラストにおける赤色に塗った部分。
 この部分しか使わずに打つような小手先太鼓に陥らないことが、この練習プログラムの目的です。
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 その中でも、イラストでは白く描かれている小手先以外の部分を、できるだけ多く使って打ち込むことを目指したのが、課題ABCDEFGHIです。
www.youtube.com
 さらに、ついつい力ませがちな小手先から、力みをなくして柔らかく打つことを目指したのが、課題JKLMNOPです。
www.youtube.com
 
 その二種類の条件を満たした上で、白い部分を動かすことで赤い小手先部分を放り投げることで、力みなくバチを高々と上げることを目指したのが、課題QRSTUVです。
 そして最後に、小手先に頼ることなく一曲通して全身で打ち切ることを目指した集大成が、課題WXYZです。
 
 結局のところ、和太鼓を効率よく打つのに大事なのは、小手先以外をどれだけ使いこなせるかということ。
 これからも、そんなアンチ小手先打法の普及に努めていきたいと思います。
mrbachikorn.hatenablog.com

バチコーン打法ドリルAtoZ

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 私が昨年から取り組んでいたのは、「和太鼓を全身で思いっきり演奏する楽しみ」がどんどんと広まっていくような仕組みを作ること。
mrbachikorn.hatenablog.com
 そのために、身体の使い方に関する課題を一つ一つクリアしていけるよう、テーマ別に練習メニューを詰め込んだドリルをまとめていました。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 ことの発端は福岡で開催していた「地方部(じかたぶ)」という和太鼓の練習会。
 普段一緒に練習していない複数のチームが同じ曲を演奏する際、テンポを早くしたがる未熟な演者が曲の調和を乱す場面が度々あったため、様々なパート同士の音のハマりをとことん追求した練習会を開いていました。
 
 そこでは「雑な拍でしか覚えていない口唱歌をきちんとハマる拍で覚え直して唄う」という点を強調して練習を重ねており、薄かったハマりへの意識を強化させるという効果はそれなりにはありました。
 しかし、小手先だけで打っていて胴体や下半身が柔らかく使えていない人は気を抜いてしまうと手元を狂わせやすいという限界もあらわになっていきました。
 そんな中で、のびのびと演奏しながらもテンポを安定させるためには、全身を上手く連携させて打つコツを伝える必要があると感じていました。
 
 ただ、小手先だけで打つ癖は身体に染み着いてしまっているので、一度や二度の練習会なんかではなかなか解消することができません。
 ですから、長いスパンで練習を積み重ねていけるよう、自主練習用のドリルを開発しようと思ったのです。
 
 今回完成させたドリルは、貼り出して一斉練習するための模造紙・復習用のテキスト・復習用のYouTube動画の3点セットから成ります。
 まず最初にドリルに使用するテキストの文面を完成させ、次にテーマ別に貼り出し用の模造紙を8種類書き上げ、課題別の復習用YouTube動画を31本撮影することでようやく仕上げることができました。
 これからは、全身を思いっきり使って和太鼓を打つ楽しさを広めていくために、このドリルを有効活用させていこうと思います。
 
 
【復習用YouTube動画一覧】
 
Lesson1「和太鼓における確かな重心操作とは」
https://youtu.be/3-RqrFr0aoI
 
Lesson2「バチを自由にする握り方」
https://youtu.be/hlTV9pE3J24
 
Lesson3「小手先癖とは」
https://youtu.be/W3akWneeLKw
 
Lesson4「小手先癖をほぐす体操」
https://youtu.be/dVhwZmlTKiA
 
Lesson5「ドリルの使い方」
youtu.be
 
ドリル課題A「バチと腕を一瞬でつっかえ棒にする」
https://youtu.be/C9Y8aqBsFYc
 
ドリル課題B「つっかえ棒に全体重を預ける」
https://youtu.be/KK1zuFVsDIY
 
ドリル課題C「上置き構えから体重を乗せて大きく打つ」
https://youtu.be/ThGPVFDdM4M
 
ドリル課題D「打面の跳ね返りを利用して大きく連打する」
https://youtu.be/oc4Mibl9Vwk
 
ドリル課題E「利き手と逆手を別々に使い分ける」
https://youtu.be/cjcaA9KFOio
 
ドリル課題F「地面を蹴る勢いで素早く弾んで連打する」
https://youtu.be/2ypHUqnhvKo
 
ドリル課題G「つま先立ちを利用してさらに高い位置から打つ」
https://youtu.be/zAtEfk0QmgM
 
ドリル課題H「地面への蹴り込みとつま先立ちをリズムに組み込む」
https://youtu.be/I1wKbnjigSE
 
ドリル課題I「足腰でバウンドのタイミングをコントロールする」
https://youtu.be/C2r2i1jrl3U
 
ドリル課題J「手のひらとバチが触れている面積と時間を減らす」
https://youtu.be/_O2ZVpuQ1e0
 
ドリル課題K「肘の位置を肩甲骨から持ち上げる」
https://youtu.be/--cFWkuYhwM
 
ドリル課題L「胴体をしならせて肩甲骨の位置を持ち上げる」
https://youtu.be/BhoUgp0nFOg
 
ドリル課題M「J・K・Lをスムーズに繋げる」
https://youtu.be/K3qxnFWt8vM
 
ドリル課題N「課題A・J・Kを締め太鼓でも徹底する」
https://youtu.be/Kij5HnqK9jA
 
ドリル課題O「肘を上げながらバチを手放して打面に軽く落とす」
https://youtu.be/pWMvo0ojhrI
 
ドリル課題P「一定のテンポでバウンドしながらバチを転がす」
https://youtu.be/wwDnuIDzmjg
 
ドリル課題Q「胴体の張力を用いて下置き構えから大きく打つ」
https://youtu.be/7KtSfD7jY90
 
ドリル課題R「バチを転がしながら利き手を大きく振り上げる」
https://youtu.be/4SMTM_mMzck
 
ドリル課題S「背伸びと逆手の振り上げでバウンドのタイミングを遅らせる」
https://youtu.be/lNCSJNWheIk
 
ドリル課題T「課題Sを用いて下置き構えから上置き構えに移る」
https://youtu.be/fG-Y5YyPL68
 
ドリル課題U「打ち込みながら利き手を大きく振り上げる」
https://youtu.be/fTvl-AXGinA
 
ドリル課題V「課題Uを用いて上置き構えから下置き構えに移る」
https://youtu.be/efORC0nmleo
 
ドリル課題W「ぶちあわせ太鼓の一人打ちをバウンド少なめでゆっくり打つ」
https://youtu.be/mWMcivwIAQ0
 
ドリル課題X「ぶちあわせ太鼓の一人打ちをバウンド少なめで軽快に打つ」
https://youtu.be/jZH40F81aGE
 
ドリル課題Y「ぶちあわせ太鼓の一人打ちをバウンド多めでゆっくり打つ」
https://youtu.be/mFNbtEYCJNY
 
ドリル課題Z「ぶちあわせ太鼓の一人打ちをバウンド多めで軽快に打つ」
https://youtu.be/vpwSLVsqa14

マジンガー型現代人よ、本来のガンダム性を取り戻せ!

 巨大ロボットの操縦席はどこにあるべきなのか。
 例えば、マジンガーZの操縦席は頭部にあり、ガンダムの操縦席は腹部にあります。
 フィクション上の設定についてどちらが優れているかなんて話はナンセンスですが、これを人体の話に置き換えるなら運動性能が高いのはマジンガー型よりもガンダム型の方だと断言できます。

廉価)全日本アニメロボ大全集

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 マジンガー型とガンダム型の違いは、自分の身体の操縦席が頭にあるのかお腹にあるのかという点。
 自分自身の操縦席がお腹にあるという意識で動ける人は、手足を動かすときも重心移動のついでに胴体としなやかに連動させることができます。
 しかし、操縦席が頭にあるという意識で動く人は、意識した部分しか動かさないため全身をなめらかに連動させられない場合が多く、重心移動も曖昧になりがちです。
 
 本来、動物はみな重心移動とともにスムーズに全身が連携して動けるガンダム型の運動性能を備えており、ヒトもハイハイから立ち上がって歩き出すまでの乳幼児には自然な運動性能をいかんなく発揮させています。
 このガンダム型の運動性能が鈍り始めるのは「じっとしていなさい」「走り回るな」「大人しくしていなさい」といった躾が徹底される頃。
 体から沸き上がるさまざまな衝動を抑え「やるべきこと」だけを頭で考えて行うという訓練を積むことで、文明社会を生きていく社会性を身に付けるとともに、本来備えているはずの運動性能を鈍らせていきます。
 
 こうして頭で考えて動くことが当たり前になってしまった現代人が陥りがちなのが、マジンガー型の運動スタイルです。
 頭で考えた指示に身体を従わせようとするマジンガー型現代人には、脳をできるだけ冷静に働かせたいからなのか、操縦席となる頭部をガッチリ安定させたままで動こうとする悪癖があります。
 
 そのため、身体には本来効率のよい自然な動き方の知恵が内蔵されているはずですが、普段から無意識のうちに身体を縛り付けている人は、なかなかその身体知を発揮させることができません。
 その代わりに、頭で理解できた「こう動けばいいはず」という思い付きの方に身体を従わせようとしてしまい、己の貧しい想像力のせいで不自然かつ効率の悪い運動スタイルへと固めてしまうのです。
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蹴る和太鼓

 和太鼓で最大限に体重の乗った一打を繰り出すための要点は、重心を上方に浮かす勢いで腕ごとバチを放り投げ、重心を真下に垂直落下させる勢いで和太鼓の打面の上にバチで着地するように打つというもの。
 この際に必要となるのは、重心を激しく揺さぶるための脚力と、腕を真下に引っこ抜くための背筋力と、落下の運動エネルギーを逃さず太鼓の打面に伝えるための瞬発的な握力で、それ以外の部位を力ませるのは余計なブレーキにしかなりません。
 
 こうしたダイナミックな打法のことを「バチコーン打法」と名付けて普及していますが、一発ずつ丁寧に区切って打つまでであれば比較的簡単にマスターできるようです。
 しかし、大きく続けて二発以上連打しようとすると一気に難かしくなるようで、豪快な連打をマスターできる人の割合はぐんと下がります。
 
 それは、一打目のために垂直落下させた重心を、即座に浮かせて二打目に備えることができないから。
 小手先でなんとかしようと考える頭でっかちな人は「腕と肩の筋力」でバチを無理矢理高く上げようとしますが、それではスピードが足りないため、多くのビギナーは準備不足になる二打目の音が一打目よりも小さくなりがちです。
 そして、ここで「重心のフル活用」を放棄する人は、二打とも中くらいの音で済ませるようになってしまいます。
 
 落下させた重心を即座に上方に浮かすためのコツは、全身のリラックスと、足の親指の付け根による地面への蹴り込み。
 落下させた重心を受け止めると同時に親指の付け根で地面を真下に蹴ることができれば、地面からの反作用が全身を真上に跳ね上げ、続けて垂直落下させるための十分なタメが即座にできあがります。
 このとき全身のリラックスができてないと、全身を跳ね上げようとしている反作用にブレーキをかけることになり、十分なタメが得られません。
 
 小手先だけの動作で何でも済まそうとしがちな現代人にとって、全身のリラックスと鋭い蹴り込みを両立させるのは至難の技。
 よほど身体操作の勘が良い人でない限り、意識的に反復練習を積み重ねなければマスターすることは叶いません。
 
 逆に言えば、地面の蹴り込みによる全身の跳ね上げという技術は、平凡な太鼓打ちと分かりやすく差を付けられる効果的な武器だということ。
 バチコーン打法とは、上半身よりも下半身の使い方を重視する「蹴る和太鼓」なんです。
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バチコーン打法とはアンチ小手先打法である

 和太鼓を楽しくのびのびと躍動的に打つためには、身体をどのように動かすのが合理的なのか。
 そう追求し続けて練り上げてきた打法は、世間に広く普及している和太鼓の打法とは全く異なるものでした。
 そして、他団体と交流する機会が増え始めた10年前ごろから、私なりの打法のこだわりについて尋ねられることが増えたため、自分の流儀を便宜的に「バチコーン打法」と名付けてレクチャーを続けてきました。
 
 私は一般的な太鼓チームの演奏を見るたびに「上半身をピンと強張らせて小手先だけで打っている姿が気持ち悪い」と感じていたので、流儀を他者に伝えるときは「いかに小手先だけでなく全身をしなやかに駆使するか」という点を強調していました。
 つまり、バチコーン打法とはアンチ小手先打法だったわけです。
 
 合理的でない小手先打法が世間に広く普及してしまっているのには、いくつかの理由が絡み合っています。
 その中でも最大の理由が、現代人は全身をしなやかに連動させて動かす時間よりも、小手先だけで済む動作をしている時間の方が圧倒的に長くて、それが習慣になってしまっているということです。 
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 その点、全国各地の祭りに伝わっている民俗芸能には、小手先だけでなく全身をしなやかに連動させてより楽に効率よく打つような流儀が比較的多く見られます。
 それは、移動に家事に労働にと生活全般において、現代よりも遥かに全身を駆使していた時代に生まれた文化だから。
 生活全般が文明化して小手先だけの動作で生きていけるようになったとしても、民俗芸能の中にはそうした合理的な身体知が忘れ去られずに生き延びていることがあるのです。

 戦後の日本において新しい大衆文化として構築されていった和太鼓業界は、そんな昔ながらの身体知を活かすことが理想とされるような世界ではありません。
 それは、黎明期から和太鼓業界をリードしていたほとんどの人が、昔ながらの身体知とは無縁の小手先現代人だったから。
 そんな現代人が考えた上達法と言えば、音や振り付けを大人数でぴったりと合わせる、複雑なリズムを高速で打てるようにする、キツい運動もこなせるように体を鍛える、といった程度の浅はかな素人考えでした。
 
 そんな頭でっかちなトレーニングを大量に積み重ねたところで、胴体を箱のように固めた状態で小手先だけで頑張っていては、野性動物のようなしなやかな動作の躍動感にはまるで叶いません。
 しかし、戦後発祥のステージ和太鼓業界はその程度の身体知しか持たない人たちによって築かれていったため、全身を連動させられない小手先打法の流儀が「正統派」となってしまいました。
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 今の日本における主流は「とにかく手を高く上げるべき」という訳の分からない信仰に縛られた「決め決め太鼓」と、その教義にこだわり過ぎずにドラムの打法を真似て格好つけることにした「ペチペチ太鼓」のおよそ二種類。
 そして、プロを名乗る和太鼓奏者ですら、そのほとんどがこうした二種類の小手先打法の延長線上にいます。
 現状では、全身をしなやかに連動させて打つ打法なんて「正統派」の範疇にないため、武術やスポーツの世界では当たり前の「小手先だけで動かない」という理想を追うと、和太鼓の世界では「変わり種」「異端」のような扱いになってしまうのです。
 
 私のライフワークは、小手先太鼓の熱心な使い手を次々と量産している業界の風潮に対して身体操作の観点から疑問を提示し、業界の外側にこそ理にかなった自然な和太鼓の世界が広がっていることを身をもって示すこと。
 理論と実践の両方を充実させることによって、世にはびこる小手先打法の悪習を「バチコーン!」と打ち破ってやろうと思います。

柔らかい動作への筋道

 あらゆるスポーツの上達のコツは、柔らかい動作を身に付けること。
 ダイナミックな動作をともなう和太鼓の世界でもこの法則は共通しており、和太鼓の指導をする際にも「動作から固さを無くす重要性」を常に伝えるようにしています。
 
 その際、頭でっかちな大人にありがちな言い訳が「私は身体が固いから難しい」というものです。
 しかし、ストレッチ運動で測れるような柔軟性と、運動の質を左右する「動作そのものの柔らかさ」とは全くの別物。
 身体が固くても柔らかく動ける人もいれば、柔軟性は高いのにカチカチにしか動けていない人だっています。
 
 このように「動作そのものの柔らかさ」という概念はなかなか理解されにくいので、固いとか柔らかいとかいう「動作の質」の違いを伝えるための「液体ドリブル」という練習法を考案してみました。
mrbachikorn.hatenablog.com
 これは、500mlのペットボトルに100ml程度の水を入れ、中の液体の動き方を意識しながらペットボトルを揺さぶるという行為を通じて、人体の効率的な運用法を体感するためのもの。
 ペットボトルの容器は人体の中でも骨格や縮んだ筋肉などの固い部分、内部の液体は筋肉や脂肪や内蔵や体液などの柔らかい部分を表現しています。
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 このペットボトルと水による単純な人体模型を使えば、柔らかい動きと固い動きの違いを明確に説明することができます。
 柔らかい動作というのは、体内の柔らかい部分を静止させたり波打たせたり暴れさせたりと自由自在に操れるような動きのこと。
 その逆で、固い動作というのは身体の外側の目に見える部分しか意識できておらず、「体内の柔らかい部分がどんな風に動くか」については制御できずにいるような動きのことです。
 
 そして、ペットボトル内の液体を自在に動かすように、自分の体内も自在に揺らしたり止めたりシェイクしたりできるようになれば、よりスムーズに力を伝えられるようになります。
 これが「動作が柔らかい」ということです。
 
 世界最速ランナーのウサイン・ボルトと他のランナーとの一番の差は、胴体をどこまで柔らかく使えているか。
 体幹をがっしり固めて手足を振り回すランナーと違い、ボルトの体幹はプルプルにゆるんだ状態にキープされており、爆走するエリマキトカゲのようなスムーズな力の伝達が可能になっています。
 
 そこまで高次元な話でなくとも、野球のバッティングであれば手打ちではなく腰で打つ、バレーボールのスパイクであれば肩ではなく背中で打つなど、スポーツの世界には小手先だけで済まそうとしてしまう傾向を諫める教えが無数にあります。
 それらの教えに共通しているのは、動きの固さをほぐすことで手先を「液状の鞭」のようにしなやかに使ってスムーズに力を伝えよと指示していること。
 「固形の棒」としてしか使えないパーツを減らし、「液状の鞭」として使えるパーツの割合を手首・前腕・上腕・肩・胸・腹という風に身体の根元へと増やしていけば、身体操作の鋭さにますます磨きをかけていけるのです。
 
 このような視点で和太鼓を見た場合、歴史の浅いステージ和太鼓の世界にはせいぜい上腕や肩までしか液状化できていない「決め決め太鼓」や「ペチペチ太鼓」であふれており、他のスポーツであれば「小手先だけの動き」と見なされかねない固い動作が、メディアに登場するようなプロの世界にすら蔓延しています。
mrbachikorn.hatenablog.com
 しかし、各地のお祭りに伝わる民俗芸能の中にならば、伝統に裏打ちされた柔らかく自然な動作で、胸や腹まで液状化させて和太鼓を打つ熟練者を見出だすこともできます。
mrbachikorn.hatenablog.com
 
 大事なのは目に見える固形部分ではなく、見えづらい液状の柔らかい部分をとらえること。
 前屈や開脚が柔らかくできなくたって、柔らかく動くことは十分に可能ですよ。
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バチと骨格を小指で繋いでつっかえ棒にする

 長野の歌舞劇団田楽座に「バチを通して自分の体重を太鼓に乗せる」という発想を教わって以来、およそ15年間こだわり続けているのが「体重が上手く乗るときと乗らないときの具体的な身体操作の違い」を割り出して、それを人に伝えること。
 前回は「液体ドリブル」という練習法を紹介し、自分の体重を預け切るための脱力のポイントを解説しました。
http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2016/11/27/233533
 
 そして今回は、脱力によって宙に放り投げた体重が落下する勢いを、できるだけ逃がさずに太鼓の打面に集約するための身体の使い方を解説したいと思います。
 それは、バチが太鼓の打面に当たるその一瞬だけバチをしっかりと握り、腕とバチを一体化させて「体重を支えるつっかえ棒」にしてしまうことです。
 
 この「つっかえ棒理論」のヒントをくれたのは、数年前まで田楽座で活躍し、現在は「和芸師とも」としてソロ活動をしている前田朋さん。
 あるワークショップで彼がこぼした「和太鼓で一番大事なのは小指の動き」という呟きの意味を考え続け、練習し続けたことで「上半身に無駄な力みを生じさないまま一瞬でつっかえ棒を出現させるために小指の動きが重要なんだ」と納得することができました。
 
 まず、握手を求めるときのように片手を差し出し、ジャンケンのグーとパーの中間の半開き状態の手のひらにバチを引っかけてそれ以上バチを握ろうとしなければ、無駄な力みのない柔らかなバチの持ち方が実現できます。
 こんなにゆるゆるの持ち方であっても、バチを小指に引っかけておくための最低限の力入っていれば、バチがすっぽ抜けてしまうことはありません。
 
 このゆるゆるの持ち方よりも遥かに強い力をバチを握っている大多数の太鼓打ちは、上半身の力みがブレーキとして働くためバチの稼働域が著しく制限されてしまっています。
 バチの稼働域をより大きく開放し、バチのスイングスピードを増すためには、手のひらとバチが触れる時間と面積を減らして極力ブレーキをかけないようにすることが重要。
 先ほど紹介したゆるゆるの持ち方は、バチに無駄なブレーキをかけないことを追求した結果なのです。
 
 そのゆるゆるの構えから、ダンディ坂野の一発ギャグ「ゲッツ」のように小指を親指の付け根に向けて引き付けると、手のひらの中でバチの根元が振り子のように旋回し、バチ先がテコの原理で勢いよくスイングします。
 このキレ味鋭いスイングこそが「鋭い小指の引き付け」の一つ目のメリットで、剣道の世界ではこうした「手の内」の使い方のコツが上達の鍵を握ると言われています。
 
 さらに、この「鋭い小指の引き付け」には、つっかえ棒を支える「地面」としての役割があります。
 据え置きの太鼓でバチを真下に降り下ろすとき、バチ先が太鼓の打面に当たる瞬間に、小指を鋭く引き付けてバチの根元を親指の付け根に圧し付けると、打面と小指の真上にバチが乗っかり、そのバチの上に親指の付け根・前腕・上腕などがつっかえ棒として乗っかり、そのつっかえ棒に全身の体重が乗ることになります。
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サルが信じるメディアリテラシー

 日経ビジネスオンラインで連載されている「ア・ピース・オブ・警句」という小田嶋隆のエッセイをチェックするのは、毎週金曜日の私のルーティンです。
 面白いと感じる記事もあればそれほどでもない記事もあり彼の立場への私の態度は是々非々なのですが、2017年12月2日分の「インチキメディアの時代到来」という記事は、個人的にまったく賛成できず極めて有害だと感じました。
 その一部を抜粋して紹介してみましょう。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/120100072/
 
インターネットの登場以来、情報が双方向化して、これまで情報の受け手であった人々が、情報を発信する手段を獲得し、それまでの一方的なメディア状況に変化が生じると、「メディア・リテラシー」という言葉が、しきりに繰り返されるようになった。
その意味するところは、「IT化した世界の住人は、これまでのように、一方的に情報を享受するだけでなく、時には自分の側から情報を発信しつつ、様々なメディアの特徴とその配信内容を批判的に検証しながら、主体的にメディアを選択しなければならない」といった感じだろうか。
まあ、そんなところだろう。

いずれにせよ、「鵜呑み」が、最悪な態度で、メディアに対して批判的な態度を堅持することが、メディア・リテラシーの基本だってな話が、21世紀のメディアや情報に関して説教を垂れる人間の定番だったわけだ。
大筋はその通りなのだろう。
 
ただ、最近になって、私は、われわれ一般の人間が、既存のマスメディアに対して批判的な目を向けはじめたことが、果たして21世紀のメディア環境を改善せしめているのかについて、確信を持てなくなってきている。
というのも、マスメディア発の「画一的」で「独善的」で「一方的」な情報に疑いの目を持つまでのところは良かったのだとして、その結果、人々が、ミドルメディアだったりマイクロメディアだったりする有象無象の情報源からの情報を重視することになっている現状が、必ずしもマトモな結果をもたらしていない気がするからだ。
 
もう少し具体的な言い方をすると、マスメディアの情報を鵜呑みにしていた20世紀の日本人の方が、それを疑っている21世紀の日本人より、結果的には賢明だったのではないかと思い始めているということだ。
というのも、マスメディア発の情報を「鵜呑み」にせず、疑い、検証し、さらに様々な個人や小さな組織や有識者や言論人やネット論客から発信される非常に幅広い情報を総合的に評価して、「自分のアタマ」で判断して情報を取り入れている21世紀のわれわれは、結局のところ、「正確な情報」ではなくて、「自分の信じたい情報」だけを集めるサルみたいなヤツになってしまっているからだ。
 
 私が引っかかるのは、メディアリテラシーとは「自分の信じたい情報」だけを集めるサルみたいなヤツであることを卒業してまともな判断力を備えた『人間様』になることなのか、ということです。
 これに対する私の見解は、人間とは結局のところ「自分の信じたい情報」だけを集めるサルみたいなヤツでしかないというもの。
 そして、そうではないと反発したがる人こそが、「ヒトはまともな判断力を備えた『人間様』になれるはずだ」という近代社会の大本営発表を信じたがっているサルだということです。

液体をドリブルして重心の操作を覚えよう

 長野の歌舞劇団田楽座に初めて和太鼓を教わったとき、一番感動したのが「バチを通して自分の体重を太鼓に乗せる」という発想。
 和太鼓歴一年だった私は腕力に任せてぶっ叩くことしか能がなく、メンバーには「もっと力を抜いて」と常々言われていましたが、なぜ力を抜いた方が良いのか初めて納得できた瞬間でした。
 
 自分の体重を太鼓に乗せるには、重心を垂直落下させる勢いでバチを引っこ抜き、着地の勢いをそのまま太鼓に浴びせる必要があります。
 このときに肩や腕が力んでいては、せっかく生み出した落下の勢いにブレーキをかけてしまうことになります。
 慣性を利用して伸び伸びとバチを上げたり、落下の勢いをそのまま活かして深い音に変えるためには、ついつい力んで筋肉を縮めてしまう癖が邪魔なんだと理解できたわけです。
 
 14年前のその日以来、田楽座から教わった理想を体言することにこだわり続け、そのノウハウをいかにして仲間たちに伝えるかに苦心してきました。
 その際にいつも立ちはだかってきたのが、重心を落下させるという動作です。
 
 この動作を練習するとき、最も多い誤解が「ただ単に膝を曲げて腰の位置を上げたり下げたりすればよい」というもの。
 スクワットのようにスピードの遅い上下運動では、足腰はキツイは落下させられたときのような運動エネルギーは生まれないはで、それをするメリットが何もありません。
 
 この種の誤解を解くために生み出したのが「液体ドリブル」という練習法です。
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 これは、500mlのペットボトルに100ml程度の水を入れ、ペットボトル内で液体をフワッと浮かせてから勢いよく底に叩きつける動作を何度も繰り返すというもの。
 この動作を左右の手で行った後に、全身の水分や余分な脂肪や内臓などを、ペットボトル内の水のようにフワッと浮かせてドサッと落としてと指示すると、「重心を落下させる」という動作の意味が分かりやすいようでした。
 
 そもそも身体は固体と液体と空洞とでできており、これらが複雑に入り乱れることで様々な動作が実現できます。
 しかし、多くの人は目に見える固体の部分だけを真似しがちです。
 しかも、その固体パーツがだいたいどの辺りにあるかという曖昧な位置くらいしか意識することができず、その固体パーツが動く速度や軌道なんかにもなかなか注意が向きません。
 
 そんな人にこの「液体ドリブル」を体験してもらえば、重心の落下とは体内の液体や柔らかい固体などをペットボトル内の水のようにドリブルすることだと、その目と手応えで確認してもらうことができます。
 そして、その手応えをバチ先にそのまま乗せれば、肩や腕の力みだけに頼らず効率的に音を作れることが理解できます。
 
 バチを通して自分の体重を太鼓に乗せる。
 その第一歩として、ぜひ「液体ドリブル」をお試しください。
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妥協は大人の知恵である

高校生の時に経験した遠足のバスの車内での出来事を思い出す。
バスが発車すると、ほどなく後ろの方の席に座った生徒の幾人かが、こっそりタバコを吸い始めた。
 
担任のU先生は、決して後ろを見ない。
生徒の喫煙を摘発して、始まったばかりの遠足の中止を含めた問題の引き金を引くことは好まないし、かといって、生徒の喫煙をあからさまに黙認することも、教師の信念が許さなかったからだ。
で、彼は喫煙を発見しないために、ただただ前方を見続けることにしたのである。
 
さてしかし、U先生は、バックミラーを見たのか、あるいはバスガイドから耳打ちされたのか、喫煙の証拠を残したくない生徒が、タバコを窓から捨てている事実を感知するに至る。
これは非常によろしくない。
ぜひ、吸い終わったタバコは備え付けの灰皿に捨てるように指導したい。
だが、この指導は、同時に喫煙の容認を意味してもいる。
ゆえに、採用できない。
 
やがて、U先生は、ガイドさんからマイクを借りると、前方を見据えたままの姿勢で「窓からガムやチョコレートの紙を捨てるような非常識な行為を、私は絶対に許さない。小さなゴミは、座席の前にある灰皿に捨てるように」という意味のことを静かに、噛んで含めるように言った。
そして、最後に「みんなで、事故のない楽しい遠足にしようじゃないか」という言葉で演説を締めくくった。
 
U先生があの時にわれわれに語りかけてくれた短いスピーチが、教師として正しい対応だったのかどうかはわからない。
正論を通せない、弱腰な、情けない先生、と今でも思っている人もいるかもしれない。
個人的には、はるか前方を見据えた、素敵な対応だったと思っている。
 
ああやって先生がごまかしてくれたバスが行き着いた先の未来で、私たちは、けっこう平和に暮らしている。
 
 これは、2016年11月18日に日経ビジネスオンラインで掲載された、エッセイスト小田嶋隆の「ダブルバインド、それもひとつの選択肢」という記事の締めくくりに書かれた逸話。
 この中の「正論を通せない、弱腰な、情けない先生」というのは、憲法九条の存在にも関わらず自衛隊という強大な武力を保有し、「自衛隊は軍隊ではない」と言い続ける日本のことを表現しています。

正中線を引き延ばして太鼓を打つ

 3か月ほど前から「確かな重心操作を活かす打法を身に付けるためのドリル」という、和太鼓の打法を身に付けるための教材を作成しています。
 これまで人に伝えてきた和太鼓を打つ際の身体操作のコツを8段階に分類し、その8段階ごとに2分半程度の基本練習ワークを完成させ、現在はそれぞれのワークを取り扱うための注釈を作成しているところです。
 
 その6段階目に紹介しているのが「正中線を引き延ばす」というテクニック。
 正中線とは、人体を前から見たときに、眉間・鼻・みぞおち・へそ・肛門を一直線に結んだラインのこと。
 細かくリズムを刻む中でときおり強打を織り交ぜたい時などに、この正中線を引き延ばすテクニックが役に立つのです。

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 一般的に強打のときにはバチを高く振り上げるものですが、それと同時に打たない方の手をへその前まで引き下げるのが正中線を引き延ばすということ。
 その際、両腕を正中線に寄せて両の手首が顔の幅程度におさまるように狭く使い、ゴムバンドの端と端を引っ張るように正中線を引き延ばすイメージで胴体を反らせるのがコツ。
 バチを弓矢の矢とするなら、上に振り上げている利き手が弓矢の弦の役割、下に留めている逆手が弓の役割を果たしており、両手の引っ張り合いで胴体中にたまった張力が次の一打に活かされるのです。

 

 しかし、振り上げたバチを上空で握り締めてしまうと、肩や上腕の筋肉の縮みが首から下の胴体との連動を途切れさせてしまい、せっかくためた張力はそこでリセットされてしまいます。
 ためた張力をリセットしないためには、バチは握り締めず手のひらに引っかけるだけにしておき、打つ寸前まで決して握り込まないようにする必要があります。

 

 まず、手のひらを握手直前の半開きの形にし、人差し指と母指球にバチを引っ掛けたまま腕を上げれば、バチを握らないままに高々と上げることができます。
 そして、打つ直前に人差し指に乗っかっているバチを跳ね上げ、バチの根元を小指や薬指でキャッチしてダンディ坂野の「ゲッツ」の動作に繋げると、全身の連動を極力妨げずためた張力を最大限に活かすことができます。
 
 言葉だけで説明するとこれだけ複雑になってしまう動作ですが、作成中のドリルではリズムに合わせて誘導の文句を聞きながらお手本の真似をしていけば、複雑な身体操作のコツが身に付くように工夫を凝らしています。
 年内にはこれらのドリルを完成させて、合理的な身体操作による和太鼓の打法をこれからも着々と広めていきたいですね。