間違ってもいいから思いっきり

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

政治を考える

選挙制度の問題点から「支持政党なし」の主張を分析する

2014年の第47回衆議院選挙で、「支持政党なし」という変わった名前の政党が北海道比例ブロック有効票の4.2%にあたる104854票を獲得しました。 http://mrbachikorn.hatenadiary.jp/entry/2016/06/22/233459mrbachikorn.hatenadiary.jp この党は、2016年の第2…

「死ね」と言われるような国でも楽しく生きる3つの方法

どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。 ふざけんな日本。 保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。 保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ。 国が子供産ませな…

人権思想もハラスメントの乱立も立派な武器

すべての人間は生まれながらにして侵害されてはならない権利を有しているというのは、誰かが思い付いた作り話です ですがこのフィクションのあらすじは、フランス革命をきっかけとして西洋社会を中心に広まっていき、今現在の国際社会では無視することのでき…

好ましい世界は自分たちで作るしかない

自分が今いる場所が「ろくでもない場所」であり、まわりにいるのは「ろくでもない人間」ばかりなので、「そうではない社会」を創造したいと望む人がいるかもしれない。 残念ながらその望みは原理的に実現不能である。 人間は自分の手で、その「先駆的形態」…

日本はまだ主権国家ではない

アメリカと日本の関係は、藤子不二雄Fの漫画『ドラえもん』における乱暴者ジャイアンとその舎弟スネ夫との関係のように喩えられることがあります。 その現状が不満な日本人の中には、主権国家である日本は出来杉くんのような自立した優等生を目指すべきだと…

どうして通貨危機は起こるのか

経済の素人である私たち一般人の多くは、ニュースで通貨危機だとか金融危機といったフレーズを聞いても、具体的にはピンときていない場合がほとんど。 ニュースのトーンから何となく「大変なことが起こったんだな」というニュアンスだけは感じることができま…

アメリカの自殺願望を疑ってみる

私が考える情報リテラシーとは、話題の前提を疑う習慣のこと。 これまでも、そんな内容の記事をいくつか紹介してきました。 「真実を見極めた『つもり』に振り回される愚かさ」原子力発電は必要か否か - 間違ってもいいから思いっきりmrbachikorn.hatenablog…

保守とリベラルの仲良しプロレス

プロレス興業の目的は、敵を倒すことではなく、試合をお客さんに観てもらって収入を得ること。 プロレスがお客さんに注目してもらえる魅力的なエンターテイメントであるために、彼らは肉体を鍛え、技を磨き、演出を洗練させ、ストーリーを練り込んでいきます…

ノンポリとして政治を眺める

【ノンポリ】 ノンポリは、英語の「nonpolitical」の略で、政治運動に関心が無いこと、あるいは関心が無い人。 元は1960-70年代の日本の学生運動に参加しなかった学生を指す用語である。 政治にまったく興味を持たなかった人だけではなく、政治問題に関心は…

自分の「湿り気」を自覚していますか?

前回、私は2015年6月1日の改正道路交通法の施行に関して、「自転車運転に関する禁止事項が増えたわけではない」とする見解を述べました。 そもそも法改正以前から「歩行者による信号無視」ですら厳密には違法行為なのですが、歩行者や自転車はバイクや自動車…

道交法違反は犯罪なんです

道路交通法の改正により、明日から「自転車運転者講習制度」という新しい制度が始まります。 これまで自転車の危険運転に対しての取り締まりには、違反の摘発による「罰金の支払い」などの方法がありました。 そして2015年の6月1日以降は、14歳以上の人が3年…

劇場版パトレイバーの戦争論

『機動警察パトレイバー』とは、レイバーというロボット技術を応用した作業機械が、軍事や海底探査や大規模な建設工事の場面にまで広く普及した近未来を描いたSF作品。 この物語に登場するのは、レイバーを悪用した犯罪やテロに対応するため、警察内に設置…

銃社会生まれのグローバリズム

グローバリズムとは、株式会社というフィクションを延命させ、国民国家というフィクションを終わらせるために、アメリカの新自由主義者たちが広めた不自然で作為的なイデオロギーである。 これが平川克美の著書『グローバリズムという病』におけるグローバリ…

この国に「大人」はどれだけいますか?

『キーチvs』は、前回紹介した新井英樹の漫画『キーチ!!』の10年後の世界を描いた続編。 http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2015/03/29/000754 世の中の矛盾と戦うために小学5年生で立ち上がった染谷輝一という少年が、既得権益を相手にとことん戦っ…

クソみたいな現実に立ち向かう

キーチ!! 8 (ビッグコミックス)作者: 新井英樹出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/02/28メディア: コミック購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (24件) を見る 新井英樹は、その過激な作風で知られる漫画家。 理不尽な無差別殺人犯、斡旋業者に大…

レフェリーに依存するな

史上最大級のジェノサイドとして有名なのが、第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって行われたユダヤ人の虐殺です。 ホロコーストとも呼ばれるこの組織的殺戮の目的はユダヤ人の根絶だとされており、その犠牲者の総数は1100万人以上とも言われています。 …

ヒトは特別な動物ではない

戦争やテロや殺人事件など「人殺しが起きた」というニュースは、私たちの生きる現代社会では「許されざる悲劇」として毎日のように伝えられています。 また、熊や猪など大型獣の駆除、魚介類の漁、食用に育成した家畜の屠殺、犬や猫の殺処分、殺虫剤による虫…

「もう助けませんよ」というのは駄目なんでしょうか?

2015年2月9日放送の「5時に夢中!」というテレビ番組の中で、読売新聞の以下の記事が紹介されました。 外務省は7日、イスラム過激派組織イスラム国の勢力圏があるシリア北部に渡航しようとした新潟県在住の50歳代の新潟県在住の男性に対し、旅券(パスポート…

イスラム世界から見た近代社会

勝てば官軍、負ければ賊軍。 このことわざは、たとえ道理にそむいても戦いに勝った者が正義となり負けた者は不正となるという意味であり、戦いの勝敗によって物事の正邪善悪が決まってしまうことを表しています。 今日私たち日本人は、近現代史の官軍である…

一神教ってなあに?

昔むかし、あるところに、七人家族が暮らしていました。「戦後日本」と、表札が出ていました。家族は両親と、五人のきょうだい。「日本国憲法」「民主主義」「市場経済」「科学技術」「文化芸術」という名の、いい子たちでした。でもある日、五人とも、養子…

政治との建設的なお付き合い

日本では、政治の話題というとその大半がネガティブなものになりがちです。 日々のニュースにおいても、ポジティブな情報よりはネガティブな情報の方がはるかに豊富なように思います。 そこで今回は、人生をのびのびと楽しむための建設的な政治との付き合い…

「支持政党なし」は詐欺か挑戦か

2014年の第47回衆議院議員総選挙において、日本の民主主義のあり方を根本から問い直すような衝撃的な出来事が起こりました。 北海道比例ブロックで立候補した政党「支持政党なし」が有効票の4.2%にあたる104854票を獲得し、既存政党である社民党の50364票や…

選挙に行かないのは非国民?

日本では、選挙のたびにその投票率の低さが問題になります。 メディアやネットには、選挙に行かない人の言い分を封じ込めるために、「投票しないやつには政治に意見する資格などない」「選挙に行かないやつは非国民だ」といった主張が溢れます。 それに対し…

嫌いな相手を追い詰める方法

2014年11月2日に放送された「ニュースな晩餐会」というバラエティ番組にて、小学校の宿題をお金で請け負う業者が紹介されました。 それによると計算ドリルなどの単純な宿題の代行だけでなく読書感想文や絵日記の代行なども行われているらしく、代行が教師に…

なぜ勉強しなければならないのか

なぜ勉強しなければならないのか。 これは、近代教育の制度がすでに完備された国々で、多くの子どもたちが頻繁に口にする愚痴です。 <a href="http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/04/08/084900" data-mce-href="http://mrbachikorn.hatenablog…

日本の英語教育は無意味か

巷でよく言われている学校教育への文句に「日本の英語教育は効率が悪い」というものがあります。 このクレームの主な根拠は、中学・高校と6年間も英語教育に時間を費やしておきながら、ほとんどの日本人が学校教育だけでは英語で話せるようにはなっていない…

国家の幻覚

普段は高校の非常勤講師として、数学を教えている私。 学校での授業はチャイムとともに始まりますが、チャイムが鳴るより前に教室に行くと生徒同士の雑談を耳にすることもあります。 そんな雑談の中で男子同士が「今回ばかりは積んだな」「次見とけよ」など…

集団心理という災害

東日本大震災が起きた2011年3月11日の昼すぎ、私はライブハウスで和太鼓演奏のためのリハーサルをしていました。 そのときはライブの準備で忙しくしていたため、「東北の方で地震が起きたらしい」という以上の大した情報は入ってきませんでした。 そうして夜…

歩兵教育の惰性

「安易に学級崩壊という言葉を使うのはおかしいのではないか」 そう私に語りかけてきたのは、小学校で勤める友人。 彼女は日本人なのですが、家族の仕事の関係で海外生活が長く、初等教育はドイツで受けています。 そのため彼女は、日本の初等教育のあり方を…

作り話の効用と賞味期限

当ブログの目的は、気付かないうちに私たちを洗脳していく言葉の影響力について、様々な角度から見つめ直していくこと。 http://mrbachikorn.hatenablog.com/entry/2014/06/29/053200 中でも特に力を注いでいるのが、「言葉はそもそも何のためにあるのか」と…