間違ってもいいから思いっきり

私たち人間は、言葉で物事を考えている限り、あらゆるものを「是か非か」と格付けする乱暴な○×ゲームに絶えず影響されています。ここでは、万人が強制参加させられているこの言語ゲームを分析し、言葉の荒波に溺れてしまわないための知恵を模索していきます。

政治を考える

内田樹と私

私が内田樹の文章と初めて出会ったのは、大学院生だった2005年の夏。 彼は2005年5月3日に投稿した「憲法記念日なので憲法について」というブログ記事の中で、トリッキーな独自の護憲論を展開していました。 http://blog.tatsuru.com/archives/000961.php 『…

立憲主義か封建主義か

2014年7月1日、日本の安倍内閣は集団的自衛権に関する憲法解釈の変更を閣議決定しました。 この話題について語る人々を1ヶ月近く観察してきましたが、「憲法の解釈を閣議決定で変更するのは民主主義の原則に反する」といった論調を見るたびに「この人たちは…

流行と常識と思想

13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。 これは、途上国の子どもに教育を与えていこうと活動している国際NGO「プラン」の日本支部による、「Because I am a Girl」という啓蒙キャンペーンの広告です。 このキャッチコピーを見て、あなたは何を感じと…

原子力発電は必要か否か

2001年の夏、大学院生だった私は「原子力発電は必要か否か」というテーマのディベートに参加していました。 このディベートはある面接の試験として行われたもの。 受験者はまず割り振られたチームごとに集められ、仲間同士で作戦を立てた上で本番に望むこと…

制度は動機を内面化する

私は現役の数学教師ですが、一般的な教師像とはかなりかけ離れた信条の持ち主だという自覚があります。 それは、私自身が教育そのものに対するありがちな動機を内面化していないから。 内面化というと何やら難しい言葉に聞こえますが、要は「学校での教育は…

数学の特権

果たして数学はヒトの教育に必要不可欠なものか。 現役の数学教師である私の答えはノーです。 もしヒトの成長に数学が必要不可欠というのであれば、近代教育の普及していない国は未熟者だらけだと言っているのと同じ。 世の中にはそのような考え方もあると思…

真理ムラの癒着と圧力

日本における原子力発電の安全神話は、2011年3月11日に起きた福島第一原発の危機的事故をきっかけに崩壊しました。 ですが、それまでの日本では原発推進が国の規定路線としてまかり通っており、反原発を声高に唱えるような人は社会的圧力によって村八分にさ…

責任ある大人のマナー

言葉とは、まるで放射性物質のような存在です。 電気信号として脳に刻まれた言葉は、影響力という名の放射線を脳に浴びせ続けることによって、私たちの在り方を変容させていきます。 生物としてのヒトの身体構造は約20万年前にほとんど完成したわけですが、 …

常識の方程式

世間での言葉の使われ方について、私がとことん追究し始めたのは数学を専攻していた大学生のころ。 私は物心ついた頃からずっと、人の行動を仕切りたがる押し付けがましい言葉の圧力に違和感を覚えており、他の要領の良い子たちのようには上手く折り合いをつ…

全人類プロレス

この世界は、力が支配する弱肉強食の説得合戦の場。 私たちは生まれたときからすでにこの舞台のプレイヤーの一人であり、さまざまな力を用いて互いに説得の応酬を繰り返しています。 ヒトの生存戦略 - 間違ってもいいから思いっきりmrbachikorn.hatenablog.c…

人類を飼い慣らした物語

ヒトを文明社会の担い手へと仕立て上げてしまう言葉の影響力には、ある巧妙なトリックが隠されています。 今回はこのトリックの種明かしをすることで、言葉の荒波に溺れてしまわないための基本的なモノの見方を掴んでいきたいと思います。 喰うか喰われるか…

ヒトの生存戦略

あなたは何ものかに喰い殺されそうになったことがありますか。 私自身は幸運にも、まだそのような補食の危機を経験したことがありません。 ですが野生の動物たちにとって、喰ったり喰われたりは当たり前の日常です。 私がこれまで何ものにも喰われることなく…

文明人だけがハマる罠

これは、イラストレーターの友人が描いてくれた私の似顔絵。 周囲の仲間からの評判は「めちゃ似てる」「目元がそのまんま」「実物より優しそう」などなどかなりの好評価。 描かれた本人としても、こんなにそっくりに描いてもらえたのかと驚きましたし、さら…